K10's Memorandum

いきなり登山が好きになりました

【ギリギリ】秋が通り過ぎた天狗岳日帰り登山(2017年11月3日)

慣れないことをすると失敗する

登山愛好家たちが待ちに待った週末がやってきた。台風だか何とか前線の悪戯により、1年で最も登山に適した時期に、これまで3週連続で自宅待機を命じられてたのだから、天気予報で晴れマークが並ぶこの連休に山へ飛び出して行くことは自然な流れである。しかし自分が今回選択したのは、ノーマルな日帰り登山である。テント泊、山小屋泊、あるいは紅葉目当ての登山も魅力的だったが、絶対に混む。お伴した「顔面蒼白の友人」の希望もあり、八ヶ岳山域で日帰りに適したに向かうことになった。天狗岳は、今年1月に雪山で登っているが無雪期は初めてである。

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西と東に2つの頂を持つ天狗岳

 

天狗岳突撃のコース

天狗岳北八ヶ岳南八ヶ岳の境界線のようなところに位置し、登山口の選定も色々考えられるのだが、無難に渋の湯の登山口から登ることにした。

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前泊なしの日帰りのため、初めての登山口だと不安である。渋の湯から黒百合平、そこから中山峠を通って山頂を目指す。渋の湯から山頂までは5km弱、登山口が標高1,800mくらいの場所であり、標高差も行動距離も日帰りには丁度良い。

この日の登山は無雪期登山ということで、雪山だった前回登山とは違うのであるが、もう1つ違う試みが、いつもの電車移動ではなくレンタカーを使用したことか。電車やバスの時間を気にせずに登れるだろうと期待した友人がアレンジしてくれたのだ。しかし、ここで大きな罠に気づく。8時登山開始を想定して、都内5時出発という計画を組んだのだが、八王子近辺で渋滞に捕まり時間を大きくロス。連休初日、遠出のために早朝出発する人は多いことを実感した。登山口到着は9時すぎ、標準コースタイムは往復で7時間であるため、休憩や日没時間といった諸々を考えるとギリギリである。ザックを整理して、9時30分に登山開始となった。

淡々と登らされる登山道

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渋の湯から少し坂を上がったところにある登山口を入ると、冒頭にやや急な斜面をつづら折りに登り、ようやく上の写真のような登山道へ出る。しばらくは淡々と進む。八ヶ岳のどの山も、この序盤の雰囲気がとても好きだ。

 

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登山口から20分ほどで最初の分岐点に出る。左に曲がると、「振り出しに戻る」ことができるようだ。前回、下りでこの標識を見たとき、どっちに降りればいいんだっけ?と迷った記憶がある。今は「右へススメ」である。

 

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ここからしばらくは、ひたすら淡々と「登り」である。急勾配とまではいかないが、とにかくずっと続く感じである。ペースを適度に保って淡々と登るべし。友人は、期待通り顔面蒼白になってきた。色々仕込んできた小話を聞かせて、彼の正気を保つことに腐心した。

 

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所々で見られる光と影。繰り返しになるが、八ヶ岳(と南アルプス)の序盤は大好きである。友人もこのマイナスイオンに癒され、徐々に元気を取り戻してきた。

 

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もうお気づきの通り、紅葉はほとんどない。どちらかというと、もう葉っぱが落ちた樹々のほうが目立つ。まだ冬ではないが、秋は終わりつつあるのだと感じられる登山道であった。

 

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淡々とお登りください。そういう道である。

 

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第2の分岐点到着。1時間のコースを40分ほどで登ってきたので、ちょっと小休憩。この場所は休憩するにはちょうど良い感じに開けている。ふと気づいたのだが、この日は登山客が異様に少ない。皆、紅葉のある場所に行ってしまったのだろうか?

 

次のチェックポイントは黒百合平

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第2の分岐を出発してしばらくは緩やかな道が続く。岩もそれほど大きくないため歩きやすい。

 

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標高2,000M付近はところどころ霜が降りている。秋ではない。

 

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ゆる〜い登りが続く。地図をみても等高線の間隔がここだけ開いている。

 

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少し開けた場所に出ると、樹の向こう側に、本日の目標がチラっと見える。この先、少々下り、第3の分岐に出る。

 

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唐沢鉱泉と渋の湯の分岐である。目指すは黒百合平。なぜかこの地点の写真の手ぶれがひどく、まともに使えたものではないため、思いきりコントラストを強くして現像してみた....

 

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唐沢鉱泉との分岐の後は、光の少ない静かな光景が多い印象だ。

 

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気づけば道に岩が増えてきた。

 

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写真では勾配がそれほどないが、徐々に足を上げる幅が大きくなる。

 

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波紋状に固まった氷。

 

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もはや道ではなく、岩の上を歩いている。足には優しくない道だが、手を使う必要もなく、逆にリズム良く進んで行けるので、そう言う意味ではどちらかというと登りやすい道である。

 

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黒百合ヒュッテ到着。ここまでジャスト2時間。少し時間を稼いだか?見ての通り、連休初日の快晴の日とは思えない人の少なさである。

 

ヒュッテから一気に山頂へ

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ヒュッテを通り過ぎてから中山峠に向かう道は、しばらく木版が敷かれている。ヒュッテ周辺は霜や氷が残っているため、この様に整備していないと、昼間は多分グチャグチャになってしまうのだと思われる。

 

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中山峠通過。(特に何もなかった)

 

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峠を通過して樹林帯をもう少し歩いたところで、岩をよじ登る場所が登場。超短いハシゴが数個。登山道にある木の階段も同じだが、「ハシゴのところに足を置かないといけない」という強迫観念にとらわれて足を運ぶと、意外に使いづらかったする。

 

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ようやく稜線登場。逆光での撮影のため黒くなってしまった。

 

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良い場所である。真っ赤に染まる秩父サイド(2枚目)、遠くの北アルプス(4枚目)もはっきり見渡せるパノラマである。

 

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まずは手前側の東天狗岳を目指す。

 

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逆光で上手に景色を撮ることが難しいので、思い切って影にして撮影。左側の樹は、右側に葉っぱが少ない。風がずっと右から左に吹いているせいだろうか?

 

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稜線に出てからの道は岩岩岩。八ヶ岳に来ました〜という感じである。

 

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岩岩を登って行く。

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標高が上がってきたので麓の紅葉、そして北八ヶ岳の全貌や蓼科山も見えてきた。

 

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秩父サイドも視界を遮るものがなくなって、紅葉しているのがよくわかる。

 

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頂上ではないが、分岐に到着。

 

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頂上感いっぱいのアングルで撮影してみた。

 

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天狗岳山頂までもう少しのところ。最後のところも結構登る。

 

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素晴らしい高度感である。気持ちいいの一言。奇声を上げながら駆け上がる。

 

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到着。登り始めて3時間。かなりハイペースで来たので流石にキツかったが、登りごたえ十分な登山であった。ここも人が少なく、標識も景色も撮影し放題であった。

 

東から西へ

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ここまで登り切って、初めて八ヶ岳主峰たちへの展望が開ける。手前は根石岳か。左奥の縞模様は、硫黄岳に違いない。赤岳はじめ南八ヶ岳の主峰は奥の方で控えめに写っているが、十分存在感あり。

 

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主峰から右に視線をずらすと、南アルプス側も。ピントを奥に合わせたら、手前の西天狗岳が茶色く写ってしまった。色々見渡せる大満足なパノラマ展望である。写真撮影大会で10分ほど消費。

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もう1個の山頂、西天狗岳にも向かうことにした。3時間で東天狗岳に到着したはいえ、12時半を超えていたので、あまり余裕がない。

 

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Let's Go。のんびり歩いているように見えるが、実際はハイペースで歩く。近づくと、結構最後のところは勾配がきついことに気づく。冬山のとき、ここを登るのがキツかったことを想い出した。

 

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息を切らせてジャリジャリした勾配を登る。ここまで来ると、キツいというか気持ちいい。

 

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岩岩岩。こっちの岩は茶色いのだ。

 

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天狗岳から少し移動しただけだが、南八ヶ岳の見え方も少し変わる。小屋が見える。

 

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そんなことを考えながら、西天狗岳山頂に到着。こっちはハイマツがあったりして、山頂にいる感じがしない。ただ、植物が風よけになるので、バーナーを使ったりするにはいいかもしれない。前回もそうだったが、西天狗岳は登る前に感動するが、登り切ったあとは、あまり感動がない。到着したのは13時だったが、さすがにお腹が減ってしまい急いでランチとなった。

 

下山開始。ルートは少し変更してみた

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ランチが終わり、急いで下山開始である。写真の左側にハイマツに1本の道が見える。ここが冬山ルートで登るときの登山道である。雪山の場合、東天狗岳と西天狗岳の丁度真ん中に出る形となる。ただ、無雪期は進入禁止のようだ。ということは、一度東天狗岳に戻らないといけない。登り返しAgainである。

 

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時間が気になる一方で、大変気持ちのいい稜線歩きだ。

 

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ただ、登り返しは結構くる。幸いなことに、東天狗岳山頂に行くちょっと前のところに巻き道っぽい場所があり、少しだけエネルギーがセーブできた。

 

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さて、登りは黒百合平から中山峠を経て山頂に至ったが、下山は、異なるルートで降りることにした。すりばち池方面で下山。地図を見ると、中山峠を経由よりも下山は5分ほど余計にかかるらしい。しかし、折角なので回ってみた。

 

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下山する方面はこんな感じである。右側に黒百合ヒュッテが見える。中山峠経由なら右側から下山、今回のルートは左から回って下山といったイメージだろうか。

 

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岩続きで距離もありそうで、意外に面倒な登山道だということに気づく。ゆっくり歩くのであれば良いのだが、そろそろ日没も気になってきていたので、歩きにくい登山道に少しイライラしてきた。

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途中、ミニ山頂のような顔をした岩立が登場。

 

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天狗の奥庭上、という場所らしい。大きな岩の上や、岩と岩の間に降りたりと進むために時間が思った以上にかかるエリアだ。

 

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どこまで岩たちは続くのだろうか、と思いながら、とりあえずシャッターを押す。

 

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この写真から見て目的地の黒百合ヒュッテは右手奥(の下)になるため、岩歩きがずっと続くということである。下に見える池をぐるっと回る感じである。

 

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実際降りていくと、岩が果てしなく続く。これ、本当に天然でこうなっているのだろうか。誰かが敷き詰めたんじゃないのか?と思うほど、ずっと岩が続く。

 

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池通過。スリバチ池という名前のようだ。スリバチっていうほどのこともないのでは?と思った一方で、こんな標高の高いところに池があることに驚いた。

 

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池をグルッと回り、周り終わるとようやく黒百合ヒュッテの方面げ下ることが許される。が、最後の下りは結構な勾配で、降りるのも一苦労である。スリバチ池を経由するルートは、八ヶ岳らしい岩の連続はダイナミックであるが、急いでいるときに通るとイラっとする道でもあった。登りで使うことは絶対にオススメしない。

黒百合ヒュッテに到着は15時。寄り道せず降りないと、日没になってしまいそうである。

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この1枚を最後にカメラをしまい、スピードモードで下山開始。渋の湯に戻ったのは16時半。

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完全に夕方、日が落ちるちょっと前の状態。30分遅かったらヘッドライト出動であった。

 

本日のコースタイムなど

 

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WristableGPSを今回も稼働したので、今回のコースタイムは上記の通り。道中相当スピードを上げて上り下りしたが、トータルは約7時間。休憩が57分もあるが、これは写真を撮っている時間なども含まれている。こんなものか、というところである。

 

最後に

2回目のトライとなった天狗岳であったが、無雪期は岩が剥き出しになるため、 雪山登山とは全く印象が異なる登山道であった。この日は天気もよく、登山客も少なかったので、とても気持ち良く登ることが出来た。

天狗岳であれば、「特急始発で日帰り」も可能かなと考えたりもしたが、ちょっと厳しい。仮に特急あずさ始発でアタックした場合、登山口到着は10時近くになると思われる。相当早く歩かない限り、日が短い秋〜春は、ヘッドライトで下る覚悟がない限り、日帰りは難しい気がする。

また、今回はレンタカーで移動となったが、良い面と悪い面の両方があった。要はどのメリットを重視するかということなのだと思うが、登山後に渋滞に苦しむというのは、結構な地獄でもあると思う。

 

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