【貫通】GW終盤に丹沢主脈を南北に通り抜けるの巻(2019年5月5日)
絶好の登山日和でした
最近身の回りで色々と変化があり、ブログ更新に着手できていなかったが、久しぶりにその時がやって来た。ゴールデンウィーク終盤に入り好天が続いたこともあり、「山の先輩」からの招待状が届いた。高山地域は残雪期でもあるため、雪のない場所へ。ちなみに2年前に権現岳で滑落したのは、先輩との登山である。檜洞丸に行ってみようという話だったはずなのだが、「短くてK10には物足りないはず」という誘導尋問から、丹沢縦断という謎の企画にバージョンアップが図られた。
出典:丹沢大山国定公園HPより(http://www.kanagawa-park.or.jp/tanzawavc/course.html)
神奈川県の西部にて南北20km以上ある丹沢山地を、北から南に貫通しましょうぞ、ということである。地図は「焼山登山口」スタートだが、我々は時間を惜しんで、少しだけコースタイムが短くなる「平丸」からスタートである。
ここが入り口である。ここから蛭ヶ岳、丹沢山、塔ノ岳と周り、最後は大倉尾根を降りてくる計画である。コースをヤマケイonlineで計測すると距離は22km、10時間50分(休憩除く)。平丸スタートが7:40なので、日没までギリギリでのスタートだ。
未知の蛭ヶ岳へ(平丸〜姫次)
丹沢の最高峰である蛭ヶ岳は、これまで未到達の領域だ。何せ登山口から奥にありすぎて、通常の週末登山では、とてもじゃないがそこまで行こうという気にはなれない。また、同じ時間をかけるなら、八ヶ岳やアルプスに行った方がいいや、と思ってしまうかもしれない。高山地帯が残雪である「今」こそ、蛭ヶ岳アタックには向いているのかもしれない。ちなみに、幸いにも「蛭」には遭遇しなかった。
繰り返しになるが、蛭ヶ岳に登るのも、そしてまた丹沢を北から攻めるのも初めて。久しぶりに味わう未知の山登り。登り始めは、表尾根ほど整備されていない場所を淡々と登る。結構なつづら折りの連続で、グングンと標高を上げるのがわかり、意外にキツイ。
平丸分岐まではひたすら登る。先輩は北側からのアタックは経験済みらしく、全くの余裕である。自分は、思ったよりもサクサク登れた。湿度が低く冷んやりとした気候に助けられた。
平丸分岐に到達した後は、次のマイルストーンである「姫次」までは、かなり平坦な道のり。植生保護用の木道が所々に出現した。
派手ではないが、意外に桜がまだ残っている。
姫次に到達。
素晴らしい富士山含めた眺望とともに、すでに3時間歩いており若干休憩。まだ全体の3分の1に到達しているのか、というところ。遠いぜ!!!
姫次から本丸への道のり
さて、ここから蛭ヶ岳に向かうのだが、ここから蛭ヶ岳、丹沢山、塔ノ岳と続く道のりは、ひたすらに登り返しの連続である。最初は「おい!」と一人ツッコみを入れていたが、徐々にどうでもよくなり、最後にはありのままを受け入れるに至るのである。
平丸分岐から続く、比較的負荷の少ない登山道もここでおしまい。この地蔵平からは、蛭ヶ岳までの2kmの区間、登り返しも含め、結構な登りが再び登場する。
しかも苦手な階段の連続である。歩幅が強制的に調整されるため、極めて嫌である。
どこまでトコトコ登っていけばいいのでしょうか。徐々に高度を上げながら、なかなかシンドイ感情もあったのだが、それを一気に吹き飛ばすものがあった。
階段を登っていくと突然樹木がなくなり、振り返るとこの展望。思わず。。。
スッゲーーーーーーeeeeeeee
と叫んでみた。違う意味で足が止まり、自分が山地の奥深いところにいることを実感した。
絶景が終わっても、まだ頂上まで100mだか200mの標高差がある。心を無にして登りつつ、たまに見える富士山や、一帯に広がる丹沢山系の眺望に支えられ、足は意外に軽快に進んでいく。というより、ハイ状態で気持ちいい。
蛭ヶ岳への最後の登りの部分。山荘が見える。
蛭ヶ岳から百名山(丹沢山)へ
ついに到着。時刻は12時15分くらい。4時間半ちょっとでの到着なので、悪くないペースである。1,600Mという標高は確かにそれほど高いとは言えないが、登り返しを経つつも標高を1,000M上げる登りであったので、達成感は半端ない。
蛭ヶ岳山頂は、とっても広くノンビリできる。ここでランチ。展望も最高である。
ランチ休憩をしっかりとり、次なる目的地である丹沢山へ。この稜線をひたすら進む。
登り返すこと数回。
いちいち、登り返す時に若干エグいわけである。一部鎖場あり。蛭ヶ岳から丹沢山へ向かうルートは鎖場は登りになるため恐怖感はないが、反対だったら、若干怖いなと思うような場所も散見された。ヤビツ峠からの塔ノ岳も含め、丹沢は初心者向け、と紹介されることもあるが、確かに淡々と歩き続ければいいわけであるが、登りごたえと言い、たまにある鎖場などを含めると、なかなかのものであるといつも思う。
進めど進めど、どこまでも稜線歩きが続く。気持ちいい。
素晴らしい稜線歩きとアップダウンを繰り返し、丹沢山へ到着。蛭ヶ岳からは2時間もかからず。来たことのある場所まで来ると、妙な安心感が芽生えるから不思議である。ここからまで何時間も残っているのに。丹沢山は、山頂が広くてゆっくりできるし、富士山も見えて展望もいいが、やはり何と言っても、その前後に装備している稜線歩きが素晴らしく、だから人気もあるし、百名山の名に恥じない山なのだなと感じた。
流石にここまで歩き続けて疲れたので、小屋でCoca Colaを購入した。ヤバし。
勝手知ったる塔ノ岳、そしてバカ尾根
丹沢山を超えた後も、塔ノ岳までの稜線は素晴らしい。ああ、ここは神奈川県ですか?
と感動しつつ、1時間もしないうちに塔ノ岳に到着。家に帰って来たような気持ちだ。夕方に近いため、心なしか人気が少ない。
本日、長い道のりだったが、本当に天気が良かったし、富士山は少し雲がかかりつつも、ずっと肉眼で山頂が確認できた。素敵である。
7時間近く歩き続けた疲労感もあるが、割と余力もあり。実質的に最後の休憩を終え、バカ尾根を一気に降下開始となった。
バカ尾根では休憩はほとんど取らずに爆進。2時間もかからず、大倉バス停まで辿り着いた。もはや、何度も通り過ぎた登山道なので、カメラもザックにしまい、ひたすら歩くことに集中した。修行だね。
最後に
大倉バス停には、ほぼ17時40分到着。スタートから休憩込みで10時間で丹沢山地の串刺し登山が完了した。悪くないペース。天気も、体調も、登りごたえも、そして展望も最高な登山であった。
日帰り登山の場合、6-7時間くらいの行程を選ぶケースが多いのだが、GWらしく、少し無理やり感のあるコースを選択して結果的には良かった。普段ロングトレイルを好む先輩は、それに気づかせるために敢えて檜洞丸に行くのを諌めたのだろうか。いや、違う、私はこの10時間くらいがMaxで良い。
とは言え、かなりの距離と負荷のあるコースのため、日が短い時期や、ノンビリ登りたい方には、あまり南北貫通コースは勧めない方が良いかもしれない。
おしまい。