【ラッセル】枯葉と岩で覆われた二百名山へ(茅ヶ岳−金ヶ岳2018年12月21日)
展望抜群の二百名山
師走も後半に入り、残り日数と積み上がった仕事量を考えて絶望する日々が始まる。クリスマスはその意味でターニングポイントで、それを超えると、「諦める」というコマンドが出現する。もう少しの辛抱だ。そんな中迎えた金曜日、オフィスが休みになる。残務整理などいつでもできる(ハズ)なので、人の少ない山へ繰り出すことにした。今年は温暖とはいえ、高山地帯は既に雪の世界。久しぶりの登山で雪装備は嫌だなと思い、2,000M前後で未経験、そしてアクセスが楽そうな場所を選び、今回は茅ヶ岳を選択した。山梨にある二百名山で、深田久弥の終焉の地、そしてJR韮崎駅に到着した時に北側にドンと見える山、という予備知識くらいか。今回の同伴者は、偉大なる先輩である。
ニセ八ヶ岳としても有名。。。
Easy ModeとHard Mode
地図を見ると、茅ヶ岳に向かって3つのルートが示されていたが、ヤバそうなルートは避けるべく、ノーマルに深田記念公園から臨むことにした。公園の登山口までは、韮崎駅からタクシーで20分程度。その倍以上かかる瑞牆山荘(瑞牆山、金峰山のスタート地点)に比べるとかなり楽である。
序盤は非常にマッタリとした緩やかな登り。
無風で気温も割合高めなので、防寒なしで快調に進む。なぜか、今回の山はマッタリ登山道に違いないという先入観があって、今日はノンビリ回って戻ってくることを信じて疑わなかった。実際にここまでは予定通り。
中盤にかけて岩がゴロゴロしてくるが、ほとんど気にならず先へ。気温最適、静かで、登山道もマッタリ、気持ち良い「お散歩」が続く。
コース上に目印になるものが少ない中、「女岩」は地図上にも明記されたポイント。しかし、落石により接近禁止。ここまで1時間ちょっと。コースタイムだと、ここから1時間で山頂となっている。なんていう癒し登山。
と、思った途端、突然ギアチェンジ。斜面をグイグイ登らされる登山道へ変身。
斜面を上がっていくと、突如「落ち葉」大量発生。先輩の足が見えない。
軽く登山靴が埋もれるくらいの深さ。この落ち葉の山をラッセル。雪のように足にまとわり着くわけではないので足上げが大変になるわけではないが、この大量の枯葉の下に隠れている岩や木の根が見えないため、不意に足を引っ掛けたりして危ないし、歩きづらいことこの上なし。
落ち葉の下に何があるかわからず、飛び出した岩を伝って上へ上へ。なぜか岩登り登山になってしまう。
マッタリモードからの突然の変化。恐るべし。なかなか登りごたえのある登山道である。
やっと峠到着。約1時間ほどのハードモード終了。
ここの峠からは展望スポットがあり、奥秩父方面がドーンと見える。左に瑞牆山、その横に金峰山。秩父系を全部まとめて見たのは初めて。
眺望に圧倒され、最後は尾根をつたって山頂へ。
茅ヶ岳山頂からの展望
茅ヶ岳山頂へ到着。少し木の枝が気になるが、展望最高。
南アルプスドーン
八ヶ岳ドーン(ちょっと前の山が邪魔)
最後に富士山ドーン。
先ほどの金峰山、瑞牆山、大菩薩嶺などの奥秩父方面、あるいは上州の妙義山だったり、浅間山も一部見えたりして、まさに日本の名山を一望できる素晴らしい場所である。
面白いと思ったのが、この立体模型。山頂から見える山を、模型で配置を確認するというのはなかなか面白い。結局、ここでランチも含めてかなり長い時間滞在することになった。無風で気持ちいい。
茅ヶ岳から金ヶ岳へ縦走
茅ヶ岳だけでピストンすると往復4時間程度で終わってしまうため、横にある金ヶ岳まで足を伸ばして、そのまま明野側に降りることとした。「茅(かや)」ヶ岳と「金(かな)」ヶ岳、聞くと紛らわしい名前である。ただ、金ヶ岳も茅ヶ岳の横に連なり「ニセ」八ヶ岳を構成している。
茅ヶ岳からの縦走路は、一度下ることになるが、北側斜面ということで雪が残っている。
一部滑りやすいところもあるのと、痩せ尾根だということで、チェーンスパイク装着。
登り返しが始まると、変わったの岩が登場。真ん中が空洞になっていて、そこを通る。
とりあえず、お約束で、岩を支えてみた。。。
金ヶ岳に向かう最後の登りは、尾根をひたすら登っていく。岩をよじ登るところもあって、なかなか面白い。かなりの痩せ尾根なので、左右が切れ落ちている場所も多く、雪や氷、あるいは濡れているコンディションでは通りたくない類の道だ。
金ヶ岳山頂に到着。残念なことに、茅ヶ岳ほどの展望はない。茅ヶ岳は360度パノラマモードであったが、金ヶ岳の展望は半分以下。。。
この木のおかげで、八ヶ岳方面が全く見えない。残念。ともかく、縦走は時間は短いが、そこそこパワーを使ったのでここで休憩。下に備える。
スリリングとマッタリ
金ヶ岳かた明野側の登山口までコースタイムは1時間半。何というか、山頂に向かっている時に少し予感はしていたが、降り始め序盤は、高所恐怖症の方にはツライコースであった。
狭い尾根道を下っていくため、緊張感あり。岩場もあれば、ところどころ切れ落ちている場所もあり。木がいっぱいあるので、落ちても大丈夫だとは思うが、高いところが得意ではない自分には十分な緊張感。
先輩も苦戦中。
こんな感じの下りが続いた後に出てきた標識をふと見たら、たった200メートルしか進んでいないことに気づく。下りルートの後半は勾配も緩むので、下りは序盤の尾根だけが難敵か。
最後に
金ヶ岳山頂の展望が残念だったこと、またそこからの下山で多少緊張感を感じたことを除けば、非常に快適な登山であった。登山道も変化があり、茅ヶ岳の稜線に出てから先の展望は見事なもので、個人的にはリピートしたい。ただ、尾根が細いので、雪シーズンはちょっと怖いかな。
最後に、本編で掲載していない写真を。
南峰から麓側を撮影。
富士山と茅ヶ岳の相似形。
茅ヶ岳山頂から撮影。コントラスト強目に現像。
日没直前の八ヶ岳。麓の温泉から撮影。
おしまい。