【甘味】今シーズン初の雪山として浅間山(黒斑山)へ(2017年12月22日)
遂に冬山シーズン突入
1週間前に平標山で今シーズンの冬山登山開始となるはずだったが、寝坊による遅刻、そして予想外に積雪が深く、時間切れで敗退となってしまった。1週間経ち、同じ場所に最アタックという選択肢も考えたが、平標山は夏にも登っているので、違う場所を選ぶことにした。選んだのは浅間山。現在、噴火警戒レベル2のため、浅間山そのものには登ることができないが、外輪の山々から浅間山の勇姿を眺めることができる。夏山で行くには少し物足りないが、雪山の慣らし運転としては良いはず。
雪を纏った浅間山は、評判通りガトーショコラな山だ
浅間山までのアクセス、コース
【情報ソース】小諸市オフィシャルサイト
浅間山も、谷川連峰の山と同様、新幹線で一気に接近できる点が良い。北陸新幹線で乙強から1時間ちょっとで佐久平に到着。そこから登山口まではバスで1時間。本数が実質的に1本しかない(8:35発)ため、これを逃すとタクシーとなる。
浅間山荘の方から登って行くこともできるようだが、そこから距離的も長く、事前の情報も登山道の情報があまり載っていなかったので、無難に車坂峠から登山を開始することにした。バスで高峰高原ホテルまで行く。
ここで既に2,000Mもある。ちなみに、この写真良く見ると、遠くに富士山が。
雪は予想よりも少し少なめだが、2,000Mもあるためか、非常に寒い。特に足下からジワジワ襲う冷気に堪え兼ねて、登山口からボトムスはハードシェルを装着。入口に登山計画書のボックスがあったが、凍って開かなかった。
表コースを進み稜線を目指す
ここから登山開始。さすが百名山に至る登山道。入口からちゃんと整備されている感じが出てて良い。雪山は出来るだけ安全に行きたいので、非常に心強い気持ちになれ良い。
雪は「もうひと降り」あればいいな、という程度。岩肌がまだ見えている部分もある。ただ、人気の登山道だからか、圧雪路になっていてとても歩きやすい。登山口から緩く登り、少しずつ勾配も出てくるが、踏み固められた雪が地面の凹凸を包み隠してしまうため、足への負担なくサクサク進める。ただ、本日無風のせいもあるが、雪道の登りは暑い。
歩きやすく、気持ちいい登山道だ。目印も豊富で迷う心配もまずない。これならアイゼンなしで上まで行けるかな、と思ったのだが、所々、登山道が凍っていたり滑りやすかったりする場所があるので、途中でアイゼンを装着。登山道の感じからして、軽アイゼンやチェーンでも全く問題ないと思う。
30分ほど登って、この開けた場所にでる。特に名前がなかったが、八ヶ岳や南アルプス方面が開けていて、展望はなかなかだ。
さらに、アイゼンでサクサクと上がって行く。復帰戦として理想的だ。
樹林帯をサクサク進んでいくと、ガトーショコラが見えてきた。一部しか見えていないので、存在感ありすぎでしょ。この先、もう少しだけ登って行く。そして。
槍ヶ鞘という場所に到着。
ここでようやく浅間山の全体が見れる。目的地の黒斑山に至る登山道も、なかなかいい感じである。樹林帯は雪が沢山あるが、陽の当たる槍ヶ鞘から先は雪が解けて地面が露出しているところが多い。ただ、一応念のため、アイゼンは引き続き装着。
トーミの頭を経て黒斑山ピークへ
槍ヶ鞘で写真を撮りつつ休憩。その後、この見るからに「登り!」という登山道を進む。
途中分岐に差し掛かる。ここで、登山口から「表コース」と「中コース」が合流する。自分が通ってきたのは「表」である。
槍ヶ鞘からの登りは、見た目ほどのキツさはない。道幅もあるので、例え雪に覆われていても安全と思われる。アイゼンだと、岩にガリっとやってしまい歩きづらい。
トーミの頭である。
後ほど述べるが、休憩するのであれば黒斑山山頂よりここが良い。浅間山がドーンと見えるし、岩が沢山あるので腰を下ろす場所が多い。さらに。
浅間山以外に、外輪山もよく見える。手前から蛇骨岳、仙人岳、鋸岳という並びだ。浅間山がガトーショコラであれば、ここはマーブルチョコレートか、少し混ざったティラミス的な色合い。雪がもう一度降れば、また違った景色になるのかな。
とりあえず、ここでは写真だけとって出発。とはいえ、ここから10分ほど登って行くと、そこはもう黒斑山の山頂である。
黒斑山の山頂は、展望は良いのだが、スペースがあまりない。この日は登山客が少なく、ノンビリとコーヒーを飲んでみたが、週末に沢山の人がいるときは、多分長居はしづらい場所かもしれない。
黒斑山から浅間山を撮影。
アイゼンと浅間山。
もう少し先に行ってみる
この日は、雪山の復帰戦が目的であったため、特に行き先は決めていなかった。時間があれば、奥の方まで、という感じである。そういうテンションで歩いているため、とても一番奥の鋸岳までは行けなそう。
とはいえ、黒斑山で折り返してもつまらないので、もう少し先へ。黒斑山から先は、少しだけ雰囲気が変わる。心なしか気温も低いし、ひっそりとした感じもした。山頂から少し下り、また登りといった具合に進む。途中、雪の被った木のトンネルが印象的である。うまく撮影できなかったのが残念。
次のチェックポイントまでは、樹林帯とこんな感じの道の連続。しっかりと踏まれた雪道なので安心。右手に浅間山を眺めながらひたすら進む。
蛇骨岳到着。なんとも奇妙な名前の山だ。
黒斑山の山頂よりスペースがあり、ゆっくりするのに適している。
ここからは浅間山も見えるのだが、その他の展望も抜群。富士山も見える。
浅間山の展望はこのような感じ。先ほどよりも接近した感じがする。時間的には、次の仙人岳も縦走可能であったのが、良く見ると仙人岳の山頂に1人の登山客がノンビリしているのが見えた。その先の鋸岳にも1名いらっしゃる。そして、蛇骨岳には他に誰もいない。山頂独占している人を邪魔するのも野暮だし、蛇骨岳には他に人もいないので、この状況は結構美味しい。よって、ここでノンビリとランチ休憩をして、その後に黒斑山のほうに引き返すことにした。
ノンビリ。。。。右手にコーヒー。
帰りもノンビリ下山(中コースで下山する)
蛇骨岳から折り返し下山開始。難所も危険箇所もなく、とても穏やかな登山道であり、帰りも楽である。写真は、帰り際のトーミの頭。よく見ると、凄い断崖の上にある。
槍ヶ鞘に向かう途中の分岐。下山は中コースを選択。
黒斑山から分岐に至までは、八ヶ岳方面が開けていて気持ちがよかった。八ヶ岳の背後に、薄く飛び出しているのは、どうやら南アルプスの何かだと思われる。さて、ここからはひたすら樹林帯の下山道である。
ひたすら、こんな感じの登山道を一気に下る。少々勾配もあるように思われ、中コースを登りで選択することはお勧めしない。下山ルートとしては、安全で一気に下降できるので非常によい。
正面にスキー場が見えてきた。こんな感じでグングン降りて行く。表コースで下山すると、槍ヶ鞘の先に登り返しがあるはずだが、中コースは下りオンリーである。
結局10時登山を開始し、戻ったのは14時半くらい。休憩を多くとりながら無理を一切せず回ったので、非常にノンビリとした登山であった。
登山中に出会った変わりモノ(余談)
蛇骨岳でマッタリしている間、こいつに何度か呼ばれた。鳥ワールドは全く知見がないのだが、雷鳥?呼ばれて、撮影。そうすると飛んでどこかに飛んで行く、その後また呼ばれて、みたいなのを繰り返していた。
登りの最中、シェルターちょっと手前で遭遇。自分の広角ズームレンズでは、あまり寄れないので、これ以上近くでは撮影できなかったが、超キレイ。
こんな感じで歩みを止めていたので、時間がかかってしまったわけである。
最後に
下山後、高峰高原ホテルで温泉に浸かり、バスを待つ間、ビールを一杯。
このホテルはなかなか良いロケーションにある。標高2,000Mで、八ヶ岳、甲武信ヶ岳、富士山といった山々が一望できる。写真は、夕暮れの八ヶ岳である。モヤっているところに夕日の光があたって、全体がオレンジと茶色に染まって独特な感じである。
さて、今回は雪山登山の復帰戦であったが、浅間山は選択として非常に良かったと思う。シビアではなく、ただ展望が非常に良く楽しめる。アルプスや八ヶ岳のシビアな感じを求める人には少し緩いかもしれないが、ノンビリと雪山を楽しむにはうってつけであり、何より安全だ。登山口のホテルも非常に良い感じだし、友人達にも是非勧めたい場所である。
槍ヶ鞘にて