【朝昼晩】八ヶ岳(硫黄岳)の小屋泊登山へ向かう(2018年1月7日)
CANON一眼レフが凍る前に
新年も1週間がすぎ「正月モード」も終わりかけている中、初登山として八ヶ岳へ出向いた。宿営方法(テントor山小屋)、目的地(赤岳or硫黄岳)で選択に迷うところであったが、何も過酷なことをしなくても良いか、と緩いモードの自分が勝ち、行者小屋泊で硫黄岳という謎のルートを辿る登山となった。
硫黄岳の看板、向きを替えてほしいな。。。
- 【前章】登山計画について
- 【第1部】普通の登山の光景(美濃戸口ー南沢ルート途中)
- 【第2部】色が減って行く景色
- 【第3部】八ヶ岳の夜の顔
- 【第4部】朝陽を浴びる八ヶ岳
- 【第5部】八ヶ岳ブルーの世界(赤岳鉱泉から山頂へ)
- 【第6部】サクサク下山していく
- 最後に
【前章】登山計画について
硫黄岳の雪山登山自体は、昨年3月に一度経験済、ブログでも記事をアップしており、同じ様な内容を書いても仕方がないため、少し構成をいじって書くことにした。とはいえ、まずは今回の計画。
1日目の計画
あずさ始発でJR茅野へ出て、そこからバスで美濃戸口へ。美濃戸口で荷物の整理等をすると、登山開始は10時を大きく回る。美濃戸口→美濃戸山荘と進み、往路は南沢ルートを進む。行者小屋に辿り着き、1日目はこれで終了。
2日目の計画
特に早起きをせず、小屋の朝食を普通に食べて出発(7時30分くらい)。そこから赤岳鉱泉に出て、硫黄岳へ往復。そのまま北沢ルートで登山口戻る。昨年3月は、日帰りで美濃戸口から硫黄岳をピストンしたことに比べると、非常に余裕のある計画である。
では、本編開始。
【第1部】普通の登山の光景(美濃戸口ー南沢ルート途中)
美濃戸口から赤岳山荘、美濃戸山荘までは林道であるが、写真の通り雪はあるのだが、圧雪路になっている。単なる圧雪路であればいいのだが、積雪が少ないためか、雪が溶けて凍ったアイスバーン状態。道の端を歩くなどの工夫をすれば問題ないが、チェーンをつけたほうが賢明(特に下りとなる帰り)。
いつもと変わらぬ美濃戸山荘。暖をとりながら、ここでアイゼン装着。
南沢ルート開始してしばらくして始る登りだが、雪は非常に少ない。
ここは標高がちょうど2,000Mくらいの場所、無雪期は岩岩で大変歩きづらいが、雪が半分くらい覆っていてスピードが出せる。ただ、岩にアイゼンを引っ掛けぬようにしないと。
橋を渡り、沢の反対側に出たあたりから、空気が一変。雪の量も増え、気温もぐっと低くなってくる。同行者(先輩)は終止チェーン、自分は12本アイゼン(しかない)。
途中、豪快に沢が凍っている場所があった。滑ってみようと思ったが、マンガみたいに割れてドボンとかは嫌なのでやめた。
【第2部】色が減って行く景色
沢の反対側に出て、少し登ったあとは登りもほとんどなく歩きやすい。積雪もあるので、無雪期よりも一層歩きやすい。ここで前方に八ヶ岳がチラチラ見え始めテンションが上がる。辛うじて、青空の一部が見えるので、モノクロな世界に彩りがある。
垣間見える青空がないと、白黒写真である。
雲が動いて青空が消えると、なんだこれは!?と思うくらいモノクロワールド。
小屋到着。人工物以外はやはり白黒の世界。見るからに寒そう、冷たそう。実際に超寒い。
小屋の前から阿弥陀岳を見上げてみた。これは白黒写真ではない、カラーだ。
中岳の方を撮影。これもカラー写真。色がなくても素敵だぜ八ヶ岳。
赤岳はガスの中である。こんなに寒いのにテントが多いのに驚いた。
【第3部】八ヶ岳の夜の顔
今回小屋泊で行動時間に余裕もあったので、初めて夜の撮影にトライしてみた。
左が赤岳、右は中岳。左上に月があるので、山の部分が不鮮明になってしまった。
少し右にレンズを移動させ、中岳と阿弥陀岳を撮影。こっちの方が邪魔者(月)がいないので、幾分か綺麗に撮れた。シャッタスピードは30秒なので、星が微妙に動いて写った。星って30秒でも動くんだな〜と寒い中で感動した。
最後は阿弥陀岳ソロとオリオン座(右上)。
1時間ほど氷点下の中でカメラと格闘しながら何枚も撮影したが、とても面白かった。もうちょっと色々研究して、次はもっとカッチリとした写真を撮ろう。
【第4部】朝陽を浴びる八ヶ岳
朝アイゼンを装着してるときに見えた阿弥陀岳。ここだけ朝陽があたっていて、周りはまだ暗いのでコントラストが凄い。阿弥陀岳山頂は強風だということもすぐにわかった。
7時半に行者小屋を出て、中山展望台に向かう分岐がある。先を急ぐ人たちはあまり興味がないようで、踏み跡の少ない登りを10分ほど進む。そして見えた景色がこの1枚。赤岳、中岳、阿弥陀岳が並んでドーンと目の前に見える。太陽はまだ山の向こう側にあるので、手前側は夜明け前の色である。
展望台を後にしてルートに戻り、赤岳鉱泉へ到着。ものすごい登山客でごった返す。本当に人気がある山だと痛感した。
【第5部】八ヶ岳ブルーの世界(赤岳鉱泉から山頂へ)
赤岳鉱泉からは樹林帯の登りが1時間以上続くが、雪が適度に踏み固められていて、非常に歩きやすい。これは下りになると更に感じた。無雪期よりもスピードアップだ。
1時間以上の登りに耐えたあとに、いよいよ森林下界突破。いきなり、世界が白と青になる。
やや雪が少ないが、十分雰囲気が出ている。硫黄岳の全貌が見えてきた。稜線はもの凄い強風だということは、見た瞬間にわかった。。。そういえば、昨年3月のときは、ここから直登的に稜線に出たのが、今回は一度左に巻いて、更に右に巻いてのようなつづら折り登山だった。雪が少ないせいだろうか?
このルートの一番好きな場所。背後に八ヶ岳主峰を感じながら登って行く。圧倒的にデカくて、凛々しくてカッコいい。実は、硫黄岳を選択した理由のひとつが、この感覚をもう一度味わいたかったからだ。
もの凄い強風に驚く。普段はあまり使わないニット帽やバラクラバを装着、手袋も二重にして防御力をアップさせた。ここから山頂までは、強風との対話である。
もはや忍びの者としか思えない同行者の背後には、やはり主峰たち。
最後の岩場。前回こんなのあったかな?写真の左側から強烈な風が吹き込むので、このあたりは風直撃。このため、若干ヒヤヒヤしながら登っていた。
到着。強風で吹き飛ばされたのか、雪があまりない。広い山頂エリアだが、風が強いので、ノンビリしようという気持ちには全くなれず。余裕があったら横岳側に少し歩いてみようか、などと話していたが、寒いので計画を実行に移すことはなかった。しかし、ここから見える景色は本当に素晴らしい。
横岳、赤岳、中岳、阿弥陀岳と収めてみた。逆光なのがちょっと残念だ。
主峰に繋がる稜線がよくわかる。まず無雪期に縦走しよう。
何度見ても凄い爆裂火口。強風のため、あまり近づきたくなかったので、写真を撮って退散。
反対側というか西側を見ると、遠くに御嶽山はじめとする「日本の壁」もハッキリと。
【第6部】サクサク下山していく
下山を開始。稜線から少し下ったところで無風の場所があったので、この景色を見ながらコーヒーを1杯。最高だ。踏み固められた雪の登山道は、グングンと下っていけるので赤岳鉱泉までは1時間もかからず。
名物のアイスキャンディーは今回もご立派。
復路は北沢ルート。この桟道までは沢を横目に歩けるので退屈しないが、この先は林道ばかりで地味でつまらない。やはり南沢ルートのほうが好きだ。
よくわからないが、豪快に凍っている登山道が1ヶ所あった。右側の土手を歩くので問題ないが、どうしてここだけこんなに。。。
北沢ルートは南よりも更に雪が少なかったが、やはりアイスバーンのような場所が多数。美濃戸山荘と美濃戸口の間もアイスバーン状になっており、ツルツルすべってかなわない。岩肌が露出しているのでガチガチするのは嫌だが、チェーンか軽アイゼンがあったほうが安心である。(何も装着せずに歩いている人も沢山いたが。。。)
最後に
強風を除いては天気に恵まれ、硫黄岳の登山、八ヶ岳主峰の鑑賞は期待通りの素晴らしいものだった。行動時間に無理がなかったので、色々な意味で余裕が生まれた気がするし、その分中身が濃い2日間だった。今回は行動記録の要素を少し抑え気味に書いてみたので、小屋泊や道中のことについては、また機会を改めて書きたいと思う。
氷を装備した樹。美濃戸山荘にあった。
なお、前回の硫黄岳登山の記録は以下です。
また、今回の硫黄岳登山の番外編は以下です。