K10's Memorandum

いきなり登山が好きになりました

【大変革】意外に雪が残る南八ヶ岳・編笠山登山へ(2018年3月24日)

雪があってラッキーか、それともアンラッキーか

たしても仕事の関係で登山に行けない週が続き、気づけば3月下旬になってしまった。今週ようやく登山に行けそうなので、一緒に行ってくれる愉快な仲間達に連絡したところ、「顔面蒼白の友人」と予定があった。自分には特に行きたい山系がないので、いくつか天気の良さそうな山を提案してみたところ、返って来た答えは実に意外なものだった。南八ヶ岳編笠山南八ヶ岳の中では標高が低め(2,523.9M)で、雪山での主峰クラスに比べれば危険度は下がるが、なかなかな歯応えである。彼も完全に八ヶ岳の魅力に取り付かれてしまったらしい。

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山頂から観る主峰たちは、素晴らしく凛々しい

 

<序章>ルートと登山口まで

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冬期は観音平の登山口が閉鎖されているため、富士見高原の登山口からアクセス。以前の記事でも書いたことがあるが、特急あずさ始発(新宿7:00)で日帰り可能である。南八ヶ岳で、冬期に「本当の」日帰りができるのは、編笠山くらいではないだろうか。権現岳は行動時間が更に長く、硫黄岳や赤岳は駅から美濃戸登山口が長い。脚力がノーマルな自分にとっては、編笠山のみが日帰りで、他の八ヶ岳は基本は前泊である。

ちなみに、行動時間は、8:54(小淵沢)ー9:10(登山口)ー9:20(出発)ー13:30(山頂)ー16:00(登山口へ下山)。ルートが南側斜面なので、夕方も比較的明るい、

 

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ちょっと進むと、結構雪があることに気づく。そう言えば、週半ばに東京も寒波が襲って来たが、そのときに降雪があったのか?「山と高原地図」で富士見高原から編笠山のルートを観てもらえばわかるとおり、ここから一直線である。等高線に躊躇なく直角で切れ込むように作られたルートだ。潔すぎて良い。

 

<登り>ひたすら登るドMコース

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開始早々、暑さのあまりフリースを脱ぐ。Milletの鎖帷子にメリノのベースレイヤーのみで行動。それでも暑いので、袖をまくる。外気温はわからないが、とにかく暑い。テント泊をしない限り、暑がりの自分には、実はメリノのベースレイヤーは不要なのかも。

 

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30-40分ほどで盃流し。ここまでが緩い登りで、この後がヤバい登り、という記憶が残っている。

 

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200分と書かれると、まーそんなものかと思うが、3時間10分と置き換えると若干ヘコむ。しかも、この前後にある標識では、「山頂まで3時間50分」と書いてあったりする。そう言うわけで、あまり気にしないで、ずっと登り続ける覚悟で、淡々と進んで行くことが肝心だと思われる。

 

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樹林帯を淡々と登る。

 

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1900Mの標識から始る斜面は、このコースのハイライトだ。カメラを構えると自然と斜め上に構えてしまうため斜度が表現することが難しいが、ここの斜度はいつ見ても結構グっとくる。2100Mの標識までを、一気に登り切る。ただ、考えようによっては、短時間で標高を稼げる美味しいゾーンでもある。展望ゼロの中でダラダラ1時間かけて標高100Mでは、そちらのほうが地獄である。

 

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2200Mを過ぎたところからは、完全に雪山。やはり数日前に降雪があったようで、雪は登山靴が埋まるくらいは積もっている。このあたりはは急斜面ではないが、地味に登りが続いているので、精神的には一番キツい。

 

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森林限界前のエリアは、雪が片栗粉状になっていて踏ん張りがきかない場面もあって歩きづらい。樹も低くなって来ているので、頭に枝が当たるし。

 

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やっと青空。3時間超ずっと樹林帯がやっと終わりである。

 

<岩ゾーン>山頂前の最後の30分

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ここからはのミックスーゾン。森林限界を超え(といっても一部残っているが)、風が一気に強くなるのでハードシェル装着。手袋も防水/防風のものにチェンジ。

 

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山頂まで20分となっているが、アイゼン装着しての行動なので、20分は厳しい。よく考えたら、岩は凍っていなかったので、せめてチェーンに交換すれば良かった。乾いた岩にアイゼンは非常に嫌なものだ。

 

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高所恐怖症の友人のことを忘れていた。意外にも淡々と登って来ている。顔色も本日は大変よろしい。「後を振り返るな!」と励ましてみるが、風が強くて届かない。

 

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この岩岩ゾーンは、矢印を目指して進めばいいのだが、いつもどういうわけから違う方向に行ってしまう。トレースに惑わされているようだ。

 

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一番最後のところだ。このがとても好き。八ヶ岳に登る時も「晴れ」が多いが、今回は雲が結構見える。年明け以降の不摂生のためか、山選びで甘えが介入していたことツケか、それとも今日のルートコンディションがハードなのかはわからないが、この時点で、なぜか左足の付け根が吊りそうになってしまった。内側や裏であれば伸ばして回復を図るのだが、なぜか外側の付け根。伸ばし用がない!ごまかしつつ登る。

 

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何とか到着した。

 

<山頂>ご褒美の撮影タイム

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冒頭にも掲載した主峰を収めた一枚。権現岳(&ギボシ)、赤岳、阿弥陀岳、そして両者の間にある中岳に加え、奥には横岳。降雪後だったこともあり、1月に硫黄岳に登った時よりも、ずっと雪山度が増していて美しく凛々しい。来てよかった。

なお、この翌日、写真左に映っている阿弥陀岳で滑落事故が発生し犠牲者が出たとのニュースを聞きました。犠牲になられた方のご冥福をお祈りするとともに、この山域の雪山を登ることは常にそういうリスクがあることを肝に銘じたいと思います。

 

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南アルプスは雲を被っていてイマイチ。

 

 

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北アルプス方面は遠いけどよく見えた。諏訪湖もバッチリ。右側の黒いやつは、蓼科山。富士山は雲に隠れてしまい見えず。

山頂で15分ほど休憩して下山開始。

 

<撮影>撮ったものをアップしてみた

本日はピストンのため、下山も同じ様な写真になってしまうため、少し現像で手を加えた写真をアップしてみる。

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白と黒の世界。森林限界が近づいて背が低くなった樹と雪に覆われた。カラー写真です。

 

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これは少し青みを付けてみた。

 

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背の低い樹の枝が目の前に迫り、氷柱がいっぱい。どこにピントをあわせていいか混乱していることが伺える。。。

 

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氷柱である。結構撮影難しい。

 

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光のあたる赤岳と、影になっているギボシ権現岳)。雲が多い日だったので、こういうコントラストになった。これもカラー写真。

 

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下山時に、最後の最後で、南アルプスの雲がとれた。また、夏にテント泊行こう。

 

<最後に>

比較的危険度が低く、山頂からの景色も良く、さらには日帰りで行けてしまう手軽さもあり、未経験の方は是非!と言いたいところだが。。。友人曰く、ストイックすぎる、との評価。確かに、4時間近い登りで急登あり、3時間以上展望なしなので、言わんとしていることはわかる。この日も、出会った人は10人いたかどうか。谷川岳の登山隊列とは雲泥の差である。そういうわけで、変化のある登山道がよい場合は、天狗岳のほうがいいのかもしれない。ただ、天狗岳は渋の湯までのアクセスが面倒だが。

 

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今回の驚きは、コレ。小淵沢駅が改造されていた!親族がこの地域に居るので、幼少期から小淵沢駅を利用しているが、この大変革には驚きを隠せない。朝、特急を降りたとき、いつものように後方の階段に向かって降りようとしたら、いつもの階段がなかったのだ。

おしまい。

 

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