【Another】プチリベンジで甲州高尾山に登ってみた(2017年12月10日)
地味だが素敵な登山道
土曜日に、超遠方からやってきた友人たちと観光登山の最高峰「高尾山」に行く予定であった。しかし、不運にも体調不良のメンバーが出てしまい計画は頓挫する。高尾山ということでスタートタイムが遅かったため、中止の決定をしたときには単独行で他の山に切り替える選択肢がなくなってしまった。そして日曜日、別の者を召還に成功。さて、どこに行こう?、ということで、高尾山つながりで甲州高尾山を選んでみた。
標高は低くても素晴らしい稜線歩きができる山
甲州の高尾山の場所はいずこ?
出発前にネットで検索すると、結構登山記録が残っている山であった。山梨百名山に選定されているようだ。先週、先々週と登った大月の秀麗富獄十二景とエリアとしてはほぼ同じ。「山と高原地図」も「大菩薩嶺」の地図でカバーされている。ということは、富士山が期待できる。それに加え、大月側から北西に位置するため、甲府盆地側にも開けている。どうやら展望が良さそうな山である。
アクセスはJR勝沼ぶどう郷駅から、登山口までは徒歩でアクセス可能で、一番奥にある棚横手山も寄って登山コースをグルッと回るとだいたい6時間である。長くも短くもなく適当なコースタイムである。
中央本線の各駅停車を乗り継ぎ到着。大月よりも更に甲府よりなので、東京からのアクセス時間は2時間半超。ぶどう目当の観光客が多いのだろうか、朝早い時間からタクシーがたくさん停まっていたのが印象的だ。
駅から見える甲府盆地と南アルプス。既にこの時点で眺望がよい。期待できそうである。
駅から登山口へは徒歩で行く
登山道へ向かおうとすうると、いきなり線路下を通って反対側へ出る。先週の扇山へのアクセスは住宅街を通ったが、今回は、住宅街というか、畑の中と言うか、もっと人気のない印象が強い道であった。道中、案内板はそれほど多くないが、「大滝不動尊」を目指せば良いため、それほど迷う心配もない。
ここは大滝不動尊の「前宮」。ここまで駅から30分程度であるが、さすが12月の甲府盆地である、歩いている最中寒いのなんのって。ダウンや手袋必須であった。また、この30分間で自分たち以外に歩いている人はゼロ。そういえば、駅にも人があまりいなかった。
前宮の横の道を奥に進む。人もいないし標識もないので、こっちに進んで良いものか。とりあえず、地図の通り進んで行く。
先行していた同行者が「行き止まり」と勘違いしたが、鳥獣対策用の柵である。登山道はこちらで合っていたようだ。
全く人のいないキャンプ地のような場所を通り過ぎる。地図には「大滝山青少年旅行村」と書かれていたが、最近は使われていない感が半端ない。夜はあまり通りたくない場所である。しかし寒い。
キャンプ地(旅行村)を通り過ぎて林道に出る。紅葉がまだ楽しめたのはラッキー。依然として誰とも会わないのだが、林道の途中でタクシーが何台も通過して行った。どうやら、駅から登山口までタクシーを使う人が多いようだ。
林道を歩くこと40分ちょっと。登山口の大滝不動尊に到着した。駅からノンビリ歩くと2時間弱の道のりである。単調な一本道と言うわけでもなく、ウォーミングアップを兼ねることもできたので、タクシーを使わず辿り着くのも悪くない選択だと思う。
飽きない登山道
大滝不動尊の門をくぐってから、まずは階段。結構雰囲気が出ている場所であった。右手に小さな滝があるが、まだ水は流れていたが、凍った部分もありいいアクセントになっていた(写真を撮りそびれた)。
階段を登り切ってお参り後、右奥にお進みください。
赤い小さな橋を渡ると、登山道が続きます。
斜面を少し登った後、こんな感じの登山道を少しずつ登りながら進む。
そして分岐に到着。ここまで若干だけ斜面を登った以外、登山と言えるほどの道はなかった。ただ、色々見るところもあって悪くはない。分岐右手に展望台があるので行ってみたが、それほど開けているわけでもなく、どちらかという休憩スペースである。10-15人くらいの団体登山客が休憩しており、スペースもなかったのでさっさと退散。先を急ぐことにした。分岐に戻り、富士見台方面へ向かう。
分岐から5分ほど進むと、登山道への入口らしき標識が登場する。ここからは、ようやく登山モードが開始となる。
樹林帯をテクテクと進む。
20分もかからずに稜線到着。ここは富士見台分岐のようだ。駅から標高は数百メートルあがっているはずだが、住宅街、キャンプ地、林道、不動尊内部、そして樹林帯と少しずつ標高を上げてきているので、ほとんど負担感を感じることはなかった。
稜線歩きを開始、まずは最初のピークハント
稜線到着後、まずは富士山の確認。秀麗富獄十二景の場所取りも北に位置した山であるため、さすがに富士山全貌はみえないが、しっかりと存在を確認できた。天気最高。
棚横手山という山頂へ向かう。地図では富士見台分岐から30分となっている。
標高1,000Mとは思えない開放的な稜線歩き。といっても、棚横手山までは突然急登になるので、それまでのノンビリモードとのギャップを感じざるをえない。登山にきたのだから、このキツい感じがなければ始らない。要は、自分は変態である。
登りは2段階になっていて、途中になぜか車道(林道)を挟む。地図をよく見ると、確かに道路が通っていた。もしかして、その気になれば車でここまで乗り付けられるのだろうか???山火事注意のノボリが登山中に何度か目についたが、過去に家事でもあったのか。確かに、木が炭になっている場所があったが。。。そんなことを考えながら階段を登り先に進む。
そして、本日一番の展望がこれ。ちょっとだけ左手前の山達(これが甲州高尾山だったりもする。。。)が邪魔であるが、甲府盆地から南アルプスまでが一望できる素晴らしい景色。駅や林道の途中からも所々で見えていたのだが、標高を上げて見渡すとまた格別。本当に盆地なんだ!ってわかる。是非地理の授業で子供達をここに連れてきて、盆地とはこういうものです、と教えてあげてください。
イイ物見たわ、と思いながら登りを続けて行く。そこそこの斜面ではあるが、やはり開けた場所を歩く時は、キツさは半減である。
そういうわけで山頂に到着。なぜかちゃんと撮影した写真が残っていない。。。
山頂付近は少しだけスペースがあるが、あまり広くはない。山頂に到着した時、別の団体登山客がいて、ほとんどスペースがなかった(だから写真があまり残っていない)。ノンビリ登山であるが3時間も歩いたので、ここで少しだけ休憩。
そして、棚横手山から見る富士山は、また格別に凛々しい。前衛に十二景や三つ峠を配しているので、ボス的なオーラが出ている。
棚横手山から本日の目的地へ縦走
休息後、棚横手山から富士見台分岐に戻り、甲州高尾山へ向かう。この間はピストンになるため、もし時間がなければ、棚横手山によらず、分岐から直接甲州高尾山に行くことも選択肢としてはアリ。ただ、盆地と富士山を見たければ絶対寄るべきだ。
モシャモシャとした登山道へ突入。ここからは、稜線歩きが続く。
全く森林限界を超えていないのだと思うのだが、開放感のある素敵な稜線だ。富士山や南アルプスを見ながら歩ける点で、先週の扇山ー百蔵山の縦走より遥かに気持ちいい。
先ほどの棚横手山を振り返る。大菩薩嶺を彷彿とさせる雰囲気である。
20分ほど気持ち良く稜線を歩いて、下り差し掛かる。甲州高尾山はどこなのだ?
甲州高尾山が見当たらない。途中、いくつかの場所で登山客が狭いスペースで休憩していた場所を通り過ぎた。まさか通り過ぎたか!?
と思ったところで、甲州高尾山到着。
またしても急降下する登山道
山頂と言っても、このスペースである。幸い団体客もおらず、ここでランチ休憩とした。少し樹が邪魔であるが、南アルプスも見えるし、ゆっくりするには悪くない。ランチを食べて、コーヒーを飲んでいると、後から団体客が到着。狭い山頂が人で溢れかえってきたので、荷物を整理して下山を開始。
甲州高尾山の先に、もう1つピークがあり、そこまでは登り下りを繰り返す。晩秋の山という感じがでていて、なかなかいい雰囲気だ。
そして、その後は一気に下るのみ。本社ヶ丸、百蔵山の下りよりは緩めであるが、それにしても一気に下る。この辺りの山(というか選択したルート)は、下りが急下降ばかりである。
柏尾山という場所を通り過ぎてから、少し雰囲気が変わるが更に下り。同行者もいたのでゆっくり歩いたが、健脚な方であれば、甲州高尾山から登山口まで1時間ほどで行けると思われる。
最後も鳥獣対策用の柵を通り抜け、登山道が終了する。ただ、下山で辿り着く登山口のある大善寺は、駅からは少し離れている。甲州街道→フルーツラインと歩いて駅に向かわなければならない。
葡萄畑と盆地、そして目前は奥秩父を見ながら駅へ向かう。街道沿いに車を横目に淡々と歩くと思ったら、葡萄畑用の農道と思われる牧歌的な道を歩くことになった。
時期が時期ならば、葡萄畑も壮観なのでしょう。
と、葡萄畑の中を歩いているうちに、まさかの道迷い。地図通り歩いたはずが、変な方向に進まされてしまう。葡萄畑の道は分岐しているし、視界も果樹で遮られているので、軽い迷路状態である。。。
何はともあれ、駅へ帰還。なかなか楽しい登山であった。
最後に
今週も「山と高原地図 No.25 大菩薩嶺」の地図を片手に歩き回った。3週連続になるとは自分にとっても意外である。本日の甲州高尾山は、当初の期待値が大きくなかったこともあったのだが、かなりイイと思った。三百名山にも入っていないということで、ちょっと驚きである。甲州高尾山の山頂付近はそれほど展望が素晴らしいというわけでもないが、棚横手山からの縦走路はオススメ度はかなり高い。春先に行った大菩薩嶺も悪くはなかったが、バスでのアクセス、登山客の多さ、下山後もバスというマイナス面を考えると、ノンビリと甲州高尾山で南アルプス&甲府盆地+富士山という稜線歩きは良い代替案になると思う。