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K10's Memorandum

いきなり登山が好きになりました

【リターン】残雪期の権現岳で滑落してしまった(厳しい世界の話)

4月下旬に雪残る権現岳に登った話の続きである。

前回の投稿は、三ツ頭や権現岳頂上から見た素晴らしい景色を中心に、美しい世界の話だった。そして、今回は、厳しい世界の話、いや、怖い話だ。

恥ずかしい話でもあるが、権現岳滑落した。

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権現岳へ三ツ頭側から登ると、山頂前に危険なトラバースエリアがあるのは有名。

それが、上の写真のエリア。

この部分は、慎重に行けば、それほど踏み外す危険は少ない(でも慎重に)

 

ここを通過した後に、一番最後に、岩場のある直登がある。

 

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ここである。

そして、この直登の前に、嫌な部分がある

過去の登山記録とかを見ると、この辺りの雪の積もり方は、時期によって違うらしい。

この4月の登山時は、登り方面で見ると、

右手が(雪で覆われた)岩(だったはず)、左手が角度のある斜面になっていて、人が1人やっと通れるくらいの、狭い雪が積もった部分を進むことを強いられる。

 

転落は、下りで発生。

狭い雪道といっても、雪の下に土があるような場所ではなかったようだ。

雪が相当腐っている午後で気温も上昇、更に崩れやすくなっていた。

 

慎重に下ったつもりだったが、

瞬油断して、バランスをほんのちょっとだけ崩して、壁側に体重をかけてしまう。

人間の頭が左に傾くと、右足側は真下に力がかからず、右横側に力がかかる。

そして、力をかける方向の僅かな違いを許すほど、雪が引き締まっていなかったようだ。

見事に、右足の足場が崩落。

 

そこからは、どう落ちたかは記憶にないが、気づけば、斜面を滑り落ちている。

最初に思った言葉である。

落ち方が悪く、ピッケルが手から離れて体の下に入ってしまう。

(足場が一気にドサッと崩れたので、左手に持ったピッケルを離してしまった。)

 

幸運がいくつかあった。

  • 斜面は角度はあったが、滑るくらいの角度。転落するような斜面ではない。
  • 雪解けが進み、斜面に樹の枝が出ていた。
  • 意外に自分が冷静だった。

滑る滑る。

スピードも増す中で、目に飛び込む樹。

樹の枝を掴んで止まろうとチャレンジ。

失敗する、スピードも出るし、掴もうにも手が滑る。

2度目の枝を、右手でキャッチ、足を別の樹にぶつけ、完全停止。

 

しばらく動けず。

変に動いて雪が崩れたら、また下に落ちてしまいそうな傾斜。

足を枝に引っ掛けた状態で、じーっとする。

 

少しボーっとしていると、同行人からの「大丈夫か?」の声が聞こえる。

声が聞こえる距離で止まったようだ。

体感的には長い間滑っていた気がしたが、意外に短い時間で済んだのだろうか。

 

体勢をゆっくり立て直す。

上に登り上がるには、角度がありすぎて無理。

下に降りるのもありえない。

横にゆっくり歩く。

 

横に進むと、トラバースエリアに入る前の急登部分にぶつかり、ルート復帰。

どうやら無事に戻ったらしい。

 

色々と考えさせられた体験だった。

  • 足場が崩れ落ちる想定をしてなかったり、雪の上の慎重さが足りなかったり、不注意が確実にあったと反省。
  • ピッケルを咄嗟の状況でも使える様に、もっと練習しないとダメだ。「滑った拍子に手から離れる」ことも想定して。
  • 気温が高い予想もあって、上はフリース、下はレインウェアだった。レインウェアはもの凄く滑る。トラバースあるような場所は、多少面倒でもハードシェル。
  • レインウェアがツルツル滑るので、ザックの「抵抗」は役に立たない。
  • 冷静さが大事だ。

被害だが、豪快に滑ったわりには、右膝の軽い裂傷(止まるときに枝に意図的にぶつけた)のみ。歩行に全く問題ないレベルで、あとは怪我はなし。幸運である。

(流石に危機に瀕しているので、この過程の写真は残っていない。)

 

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写真のどの部分で落ちたのか、よくわからない。

これで見ると、あのまま滑って行ってもどこかで止まったのかな?と思わなくもないが、スピードに乗って衝突したら、それが樹であろうと、もっと大惨事になってしまっただろう。とにかく、幸運だったのは間違いなく、また反省。。。

 

GWのまっただ中、高山地帯はまだ残雪もある。

皆様どうか慎重に、ご無事で。

 

美しい世界の話は、こちら(この記事を読んだ後では読む気になるかな...)

s-d-k10.hatenablog.jp

 

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