K10's Memorandum

いきなり登山が好きになりました

【二面性】百名山 大菩薩嶺の稜線歩きと急降下

今年登った山の数の数え方は色々あるだろうが、自分なりのルールによると、今回が20座目となる。週末中心に日帰り登山ばかりしている割には、なかなか悪くないペースだと思う。ただ、少し仕事の疲労も残っていたり、また天気予報も微妙な週末であったため、先週に引き続き、手軽で平和な登山をすることにした。

選んだ大菩薩嶺は以前から気になっていた。東京からのアクセスも悪くはなく、難易度もかなり低い。しかし、八ヶ岳、同じ秩父山系の瑞牆山金峰山のほうが魅力的で、後回しになっていた。

開放的で美しい稜線は、今まで登った山々にはない魅力があり、アクセスの良さ、登山道の安全さも含め、人気を集める理由がよくわかった。

 

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〜賽の河原付近からの大菩薩嶺側を撮影。稜線が何とも印象的なルート〜

 

大菩薩嶺のルートとコースタイム

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データソース:http://www.daibosatsukankokyoukai.net/tozan-map.html

今回は上記の地図のソースでもある「大菩薩観光協会」ホームページを参考にルートを決めた。モデルコースは、スタート地点とゴール地点が同じ周遊コース、あるいはピストンコースが提案されていたが、色々考えた結果、以下のコースとした。

上日川峠 → 大菩薩峠 → 雷岩 → 大菩薩嶺 → 丸川峠 →大菩薩嶺登山口

JR甲斐大和駅からバスに乗ると、一気に上日川峠まで運んでもらえる。バスの所要時間は40分程度。傾斜のある峠道を進むため、乗り物酔いしやすい方は大変かもしれない。上日川峠からはオーソドックスに稜線を進み、大菩薩嶺まで進む。ここで引き返してピストン、あるいは下りは雷岩から「福ちゃん荘」に一気に降りるルートで下山することもできるが、それだと行動時間が短く少し物足りない。このため、大菩薩嶺から引き返さず、そのまま先に進み、丸川峠から大菩薩峠登山口まで下山し、帰りは「塩山駅」に出るようにした。

このコースの標準タイムは4時間半。上日川峠を10:15に出発し、途中雷岩付近でランチ休憩したのを含め、大菩薩嶺登山口に到着したのは14:30のため、だいたいコースタイム通りに進んだことになる。

 

あっという間の登りルート

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甲斐大和駅からバスに乗り、グワングワン揺られること40分で上日川峠に到着。「ロッヂ長兵衛」の周りには沢山の登山客。人気のある山らしい。梅雨入り宣言されてしまい、今日のような「晴れ」を逃すまいと、沢山の人たちが詰めかけたようだ。

 

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登山開始からしばらくは樹林帯。土の道は歩きやすく、勾配もかなり緩く、登山をしているとは思えないコース。それはそれでもいいのだが、少し拍子抜けだ。また、多数の登山客が押し寄せたため、狭い林道のようなコースを隊列を組んだように歩く形になり、若干異様にも感じた。

 

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カワイイ名前の山荘に到着する。ここまでの道のりは、散歩である。

 

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ここで分岐。山頂側に向かい一気に駆け上がるコースと、グルッと回って稜線を歩くコース。とりあえず、後者を選択。この写真にある地図を見ただけでも、直線コースは、樹林帯で展望がなさそうな予感のため、実質は一択だと思う。

 

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福ちゃん荘の分岐から30-40分ほどは、これまた登山というより、ハイキング的なコースが続く。正確には、何度か上り坂はあったが、「ペースを考えないと息が上がる」といった類ではない。なんというライトな登山だろうか。

 

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30-40分くらい登った、いや歩き、ふと左手を見ると、稜線が近い予兆が見える。笹が多い茂って、かなりいい感じの景色になっているが、「もう稜線?」という気持ちが強かった。

 

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また別の山荘に到着。ここが大菩薩である。1時間もかからず。

 

大菩薩峠から始まる稜線歩き

全く手応えもないまま、少し物足りなさを感じつつ山荘を通り過ぎたが、次の瞬間に突如、この大菩薩峠から大菩薩嶺百名山に入っている理由を実感する。

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稜線が上のほうに、綺麗にスルスルスルっと伸びている。なかなか悪くない。

 

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この峠は、正面に稜線、左手に北アルプス八ヶ岳、そして富士山、右手に秩父山系の展望が広がる何とも贅沢な場所である。上記写真は、右手の秩父山系側である。

かなり展望がよく、ここで同行者が朝食を食べるというので、ちょっとだけ休憩。この日は風が若干あり、じっとしているとやや寒い。

 

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同行人の食事が終わり、いよいよ稜線に沿って進行。

 

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峠からのルートを登っていくと、上の方は岩がゴロゴロしている。特別危ないわけでもないが、ここまで平穏なハイキングをしてきたため、突然の岩場の登場で、ようやく登山モードになってきた。

 

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登った岩場で振り返ると、先ほど通過した山荘と大菩薩峠が見える。

 

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なた、左手には富士山。この日は雲が多く、遠くもモヤがかかりスッキリせず。写真は富士山を強調するように現像処理してみたが、それでもこの薄さ。肉眼ではウッスラとしかわからなかった。

大菩薩峠からの登り道の先にある岩場を通過したところで、

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この冒頭の写真の風景が登場する。向こうの方までずーっと見える。

 

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向こう側に進むため、少しだけ下る。この辺りは賽の河原と呼ぶらしい。(なぜか写真が暗くなってしまった...)

 

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道に沿って進むと、またしても岩場。といっても、登りやすいので安心だ。

 

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岩場を超えて、更に登る。勾配はかなり緩め。ストイックさは無縁の山である。

 

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進んでいくと、標高2,000Mの標識がある。登山を開始した上日川峠が標高1,600M弱なので、400Mくらい登ってきた。しかし、ここまで終止ノンビリした登山道が続いており、標高を上げてきた感覚が全くない。

 

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2,000M標識を超えても、更に進む。なんだか、ずっと同じ様な景色が続いているが、展望の良さもあり、全く飽きがこない。そして、体力的には相当余裕のある行軍であるため...

 

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撮影会

平和な稜線歩きをすること約1時間。

 

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到着

休憩ポイントらしく、大勢の人で賑わう。特に目に留まるものもなく、ここは一気にスルーする。なお、福ちゃん荘から直線的に登ると、ここに出る。

 

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雷岩を通り過ぎると、突如樹林帯開始。若干の登りだが、気にならない程度。地図によれば、この樹林帯の向こうに、大菩薩嶺の山頂があるはず。

 

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山頂らしい場所に到着

事前情報で、大菩薩嶺の山頂そのものは、樹に囲まれ展望ゼロと聞いていた。少しくらい何かが見えるのでは?と期待したが、やはり何も見えず、ただ、標識がポツンとたっているだけであった。大菩薩から雷岩までは、綺麗な稜線、そして樹木も少なかった。一方で、それより標高が高いはずの山頂が樹木に覆われているという状況は、とても不思議である。

さて、ここから、丸川峠に向けて下山開始である。

 

登りルートと全く様子が異なる下山ルート

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歩きやすく日光の降り注ぐ道が多かった登り、そして、開放的な稜線とは対照的に、大菩薩嶺山頂から丸川峠を経由する下りルートは、基本は樹林帯で暗い。また、道そのものも、樹の根、石/岩があり、何というか通常の登山道になっている。それでも、大菩薩嶺から丸川峠までは、比較的勾配も緩く歩きやすい。

 

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大菩薩嶺山頂から下ること40分程のところで、突然明るく開ける。

 

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この丸川峠一帯だけ、なぜか背の高い樹木が少なく、牧場のような雰囲気である。丸川峠には丸川荘という山小屋もあり、営業もしていた。牧歌的な雰囲気であったが、風が強くなり始めていたこともあり、さっさと下山を再開。

 

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ここから1時間ほどは、急坂が続く。写真のような岩場が多数出現する。大菩薩嶺の頂上は標高約2,000M、ゴールの大菩薩嶺登山口の標高が900M弱。約2時間で1,000Mを駆け下りる計算だ。幸い、岩場も含め危険なところはなく、スピードに乗って下山可能な登山道であるが、仮にこの道を「登り」で選択していたとしたら、展望のなさ、急登の連続でかなりキツいのではないかと思う。

 

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急坂が終わると、沢沿いに下り、最後は舗装道路にぶつかる。道なりに進んでいくと大菩薩峠入口に到着。ここからバスで塩山に戻った。

 

最後に

序盤のハイキングのような登り、中盤の開放的な稜線歩き、そして最後は一気に急降下するような下山ルートということで、バラエティに富むルートであったことは間違いない。ただ、下山ルートで使用した大菩薩嶺山頂-丸川峠-登山口のルートは、奥多摩にありそうなオーソドックスな登山道であるものの、展望や変化に乏しく、登り側で選ぶにしろ、下り側で選ぶにしろ相当退屈だと思われる。個人的には、序盤/中盤のルートに物足りなさを感じていたので、最後2時間はしっかり歩けて満足ではある。

何はともあれ、上日川峠から1時間程度で稜線まで一気に行けることは魅力的だと思う。稜線歩きは、とてもリラックスできて良い。若干「ありがたみ」に欠ける気もするが、サクッと上日川峠からピストン/周遊で、最後は上日川峠に戻るコースであれば、行動時間が短く、非常にコンパクトで展望の良いコースだと思った。

 

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