【夕方】雪山登山のサイドストーリー(装備、小屋、防寒、赤岳。。。)
前回書けなかったことを書きまくる
前回は硫黄岳登山の中心部分を記事にしてみたが、今回はサイドストーリー部分を書いてみた。山小屋泊にしろテント泊にしろ、日帰り登山よりも書きたいことが多い。
前回掲載した登山本番編
小屋泊の荷物の話
小屋泊でテント関係が不要なため、いつもの38リットルザックを使用。何度かこのブログでも登場しているOsprayケストレル38Lは、色々なザックを試すほど、そのコスパの高さに驚かされる。雪山登山は荷物が増えるので、下山後の着替えやバーナー類、そしてカメラなどを考えると正直もう少しユトリがほしいが、何とかなるものだ。写真のとおり、外付けがしやすい構造なので、アイゼン、ピッケル、ポール、ワカンを全て運ぶことが可能である。
【中身】
- ハードシェル上下
- ゲイター
- バーナーとコッヘル
- 防寒用のダウン、行動中のダウン(ナノパフ)
- 防寒アイテム(手袋×3、バラクラバ、ニット帽、ネックウォーマー)
- 着替え一式
- 救急道具、洗面道具(歯ブラシ等)、眼鏡ケース、サングラス
- 予備バッテリー、コンパス、ヘッドライト
- 地図
- 行動食、即席麺×2
- 一眼レフ、カメラケース、ミニ三脚
- 水(1リットルボトル×2)
これに先ほどの外付けのアイゼン、ピッケル等を収納。ちなみに、同行者も同じケストレル38の新しい型で登場。使い勝手の良さはピカイチだ。
レイヤリングの話
12月の平標山や浅間山は、日中は気温が高く、行動開始後は寒い思いはほとんどしなかったが、流石に1月の八ヶ岳は寒い。動いていないと靴の中で指が痛くなるし、稜線では手袋外すと痛い。ボトルの水は歩いていると凍るし、チョコレートもカチコチ。稜線に出る前でも、汗に濡れた髪の毛も見事に凍った。
とりあえず、今回の行動中のレイヤリングが以下の感じ。鎖帷子はミレーの例のアンダー。メリノはアイスブレーカーの薄いやつ、R2はパタゴニアのフリース。
【歩き出し】鎖帷子+メリノベースレイヤー+R2
【2000M後】鎖帷子+メリノベースレイヤー+R2+ナノパフ
【小屋ー稜線】鎖帷子+メリノベースレイヤー+R2+ハードシェル
【稜線ー山頂】同上+ネックウォーマー、バラクラバ、ニット帽
【下山時】鎖帷子+メリノベースレイヤー+ハードシェル
特筆する様なことはないが、下山はスピードも出したので、フリースを抜いでベースレイヤーの上に直接ハードシェルを着てみた。結構快適。ボトムスは、終止、メリノタイツ+新調したミレーの中厚手+ハードシェルとなった。
防寒の話
持って行こうか迷ったのがこのダウン。正月のセールで購入。テント泊なら迷うことはないが、小屋なら不要だろうと。ただ、こいつを持って行って正解であった。深夜や早朝に星空撮影で大活躍。ナノパフでは寒く、ハードシェルを着込まないと長時間外にいるのが厳しかったと思う。
また、本編でも書いた通り、この日は稜線は風が強かった。バラクラバ、ニット帽などで顔や頭を防御することは必須。また、それ以上に苦労したのが手袋である。カメラを操作するためには、最も厚手手袋を使うことが難しく、先日のセールで買った防水/防風のPAINEの手袋と、さらにインナー手袋の二枚体制。細かい作業が必要なときだけ、アウター側の手袋を外して作業をした。アウターを外す時間は1分もないのだが、防風じゃない手袋だけで過ごすと、指が痛くなった。稜線用に、薄手だが防風のインナー手袋、みたいなものはないだろうか。
また、雪山なので保温材の入った厳冬期用登山靴で臨んだが、行動開始時やら靴の中が汗で湿った際に、冷たさを感じることがあった。ネットで見ると賛否両論もあるようだが、次回は、ソックスも2枚重ねを試してみようかと思った。
快適な小屋の話(行者小屋)
今回お世話になったのは行者小屋。本当は硫黄岳登山なので、赤岳鉱泉に宿泊したかったが、前日に電話したところ、行者小屋を勧められたのでこちらを選択した。
過去の山小屋泊はピークシーズンだったこともあり、ストレスも多い宿泊であったが、今回はとっても快適。油断すると、ずっとここに居ちゃいそうなくらい。行者小屋は、赤岳鉱泉と比べてもこじんまりしているが、逆にそれがいい。写真はいっぱい撮ってみたが、興味がある方は、是非自分の目で確認してみてください。
夕方の話(文蔵尾根に行ってみた)
さて、1個だけ行動記録。1日目、小屋に到着したのは14時前。受付を済ませたところ、夕食は17時から、と聞いた。さて3時間何をしよう?
とりあえず文蔵尾根を行けるところまで行こう、ということになった。
阿弥陀岳との分岐の後から始る急登。ぬおおおおお、と思いながら進むが、やっぱりここは急でキツい。幸いなことに雪は踏み固められていて、アイゼンが効いてくれる。
流石に途中からステッキが欲しくなったので、ピッケル登場。カシカシと坂道にこびり付く雪に指しながら登る。
階段まで到達。出発する時に決めていた「時間」になったので、ここで引き返す。この先は絶景が始るのはわかっていたが、ガスがかっていて天候も良くなかったので、潔く撤退。
それでも途中で開けた場所もあって、悪くない時間つぶしだった。ちなみに、写真の左中央にあるのが、行者小屋。
物欲が湧いてきたもの
先ほど書いた通り、ソックスや手袋の2枚重ねは、今後しっかりと研究していきたいものである。ファイントラックあたりが、こういった機能面重視の分野をカバーしてくれるのではないかと秘かに期待していたりする。さて、今回は、正月セールで購入したアイテムもデビュー戦を迎えた。
手袋やゲイターは、当然戦力として申し分はなかったし、ミレーのボトムスは、やはり汗処理も抜群で、歩きやすさもとっても印象的。ただ、それらのアイテムよりも印象深かったのは、やはり、先ほども書いたダウンジャケットか。温かいって最高。
そういえば、本編でも書いたが、美濃戸口から美濃戸山荘まではアイスバーンです、と書きました。登山後の1週間で、更に滑りやすくなったという情報もあります。登りは何とか登山靴だけで凌いだものの、下りは油断すると滑ってバランスを崩してばかり。歩き方が悪いのかもしれないが、それにしても猫か忍者のように歩かないと、普通に無理であった。このため同行者からチェーンアイゼンを片方だけ借りてみたのだ。
このアイテムは、何て素晴らしいのだろうか。着脱は簡単だし、何よりも軽い。そして、アイスバーンや圧雪路で、きっちりグリップしてくれる。これまでも、岩肌や地面が露出している場所で、凍ってしまっているので12本アイゼンを装着せざるを得ない場面で面倒な思いを多々してきたが、チェーンがあれば全て解決してくれそうだ。
最後に
八ヶ岳は美しく、雪の登山道をザックザク歩けたし、色々な道具も試せて、さらに星空も撮影できて山小屋も居心地最高ときた。雪山シーズンは仕事の繁忙期と重なるので何度も行けるわけでもないが、出来る限り繰り出して行きたい。