K10's Memorandum

いきなり登山が好きになりました

【育成】LOWA TIBET GTXの購入から現在まで(ローバー チベット GTX)

久しぶりに登山靴の記事です

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序章:チベット購入の経緯

登山をするために必要なアイテムで大事なものを3つ挙げよ。そう聞かれれば、多くの人は「登山靴」を回答すると思う。自分もそう思う。登山靴に何を求めるかも、多くの人は似ている気がする。カッコ良くて、出来るだけ軽くて、丈夫で、そして値段も安いなど。ただ、タウンユースの靴や、他の装備品と異なり、登山靴は「足に合う」かどうかが全てに優先すると思う。

Zamberlan(ザンバラン)とMeindl(マインドル)の2足を山域によって使い分け、後者のジョラスGTXという靴を主に高山帯で使用していた。足へのフィット感が良く、固さが十分な一方でそれほど重くはなく、足首から上の可動も確保されていてなかなかいい。が、しかし、使用開始して数ヶ月後、20kgのザックを担いで臨んだテント泊で見事に靴擦れとなり、エライ目にあうことになった。

現在もこの靴を履いている。靴下やインソールを替えたり、事前に靴擦れ予防のテープをしたりして、誤魔化しながら使っていると言った方がいい。靴擦れしなければ非常に良い靴なのだ。靴擦れしなければ。

そして、これほど見事なまでに靴擦れを起こすということは、それが仮に重いザックを長時間担いだことが原因だとしても、この靴は本来的に自分の足に合ってないのだと思うに至り、その代わりとなる一足を探す旅が始った。

 

靴探し開始とTIBET購入に至るまでの紆余曲折

高山帯や岩場でもヘッチャラな頑丈な靴は、当然全体の作りが「硬い」ため、足に合う合わないが如実に出る。約1ヶ月ほど、時間を見つけては登山用品店を訪れて、それこそ棚にある靴を片っ端から試し履きをした。自分の足の特徴は、このブログでも何度か書いてきているが、、、

  • 指先はギリシャ型(親指より真ん中の指が長い)
  • 甲高
  • 足幅は細い
  • 最近気づいたが、カカトはかなり小さい
  • 足首全体は女子レベルに細い

カカトが小さいと、靴紐をきちんと締めないと、カカトが歩くたびに上下動してしまう。色々試すが、とにかく、大半の靴は履いた瞬間に「ダメだ」というのがわかる。例えば、全体はブカブカしているのに甲だけ妙にあたった感触がある、履いた瞬間踝がいたい、アキレス腱のあたりがあたっているなど、絶対この靴で何時間も歩きたくないとすぐにわかるレベル。ザンバラン、スポルティバのイタリア勢は、特に相性が悪い。ちなみに、持っているザンバランはサイズが非常に大きいので履けている(靴紐で思いきり締め込んでいる)。

また、靴を選定する際に困るのは、登山ショップによって、メーカーが偏っていること。某チェーン店は、上記のイタリア勢が優勢なので、常に候補が半分しかない感じになる。

なかなかピッタリしたものがなく、これは最後の手段、GOROとかで足型作るしかないか?と思っていたところで履いたのが、LOWA TIBETである。最初に試したのはLOWAのTAHOE(タホー)であった。こちらの方がワンサイズ小ぶりで、丁度いい感じであったのだが、甲が合わず断念。TIBETのほうが、甲が高いデザインになっているようだ。

およそ試し履きで1時間程度。靴下を替えてみたり、紐の締め加減を替えたり。カカト周りのフィット感がもう少しあればパーフェクトだが、足入れの感覚がへの良いことに加え、まだ革が硬い状態にもかかわらず、紐を相当締めると、足と一体になったようにフィットしてくれたのが気に入った。

 

Open The Box

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買った直後の写真である。ワックス等何も手をつけていないので、ヌバックレザーが新鮮な感じがする。サイズはUK表記で8.5EU表記で42.5)。普段履く靴はスニーカーだと26.5cmが多い。LOWA社の製品は、幅広型のモデルもあるようだが、自分は「ノーマル」を購入している。これは履いて数ヶ月してわかったが(つまり今)、多分もうワンサイズ下にしても多分大丈夫だと思う。ただ、初めて買う靴で冒険などできない。

 

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他の靴と比較してみると、TIBETがやたら大きいのがわかる。登山靴としてのグレードはマインドル(オレンジ)と同じなわけだが、TIBETの存在感がありすぎだ。ザンバランのコルネット(小型の革靴)は、足のサイズはEU44で大きいわけだが、どう見てもTIBETの方がデカ靴に見えてしまう。近郊の山に履いて行くのは、少々気が引ける。

 

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靴なので、それほど超絶機能が付加されているわけではないが、靴紐を通す部分にある「アイロック」機能は地味に使える。写真のように金具を立てた状態であれば普通のリングだが、これを寝かせるとロック状態になって紐が動かなくなる。つま先を思いきり締め込んだ後に紐が戻ってしまうこともなく、あとは、つま先だけ締めて、足首は緩めに、あるいはその反対にみたいなこともできる。

 

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この金具に名称があるか不明だが、最後にここに靴紐をぐるっと一巻きすると、足首付近の紐が緩くなりづらい。ヤタラ存在感があって融通が利かなそうな外観なのだが、緩急自在でピシっと調整してくれるわけである。

 

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さて、とりあえず、買った状態で使い続けると乾燥による「ひび割れ」ですぐに劣化してしまうので、ワックス加工を開始。

 

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ワックスを1回塗って乾燥させた状態である。これを何度か繰り返して、ブラッシングをしてワックスを定着させる。ワックスが乾燥するまで何日かかかるため、この下準備だけで2〜3週間が経過してしまった。その間、北アルプス南アルプスの登山が計画されたが、無理に履かずにじっと下準備を続けた。そして。。。

 

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出撃の準備が完了した。

 

使用開始から8ヶ月経過 

昨年の8月中旬から使用を開始。流石に低山ではオーバースペックなのと、慣らし運転状態でテント泊や山小屋泊に投入は怖いので、ここまでは日帰り中心。また、軽アイゼンは装備可能な靴だが基本は3シーズンの靴と割り切り、雪山ではお留守番としている。

履き心地は非常によい

何と言っても足入れが非常に楽な靴である。かなり大きく見た目もイカついので、履くのに難儀するかと思っていたが、足入れの良さに加え、ベロの納まりも非常に良い作りになっているし、靴紐の通りもよく、アイロック機能もあるため、スムーズに履くことが出来る。マインドルや、雪山の登山靴は、何だかわからないがモタモタすることが多い。。。

履き心地は、当初は「硬さ」を感じることもあったが、何ヶ月か履いて革全体が柔らかくなり、良い感じでフィットしてきている。また、通気性も思いのほか良く、靴内部は結構爽快だったりする。

重量感はあまり感じない

片足900gのモデルだが、当初思ったほどの重量感を感じることはない。ただ、歩き終わった後の疲労感は感じる。どっしりした安定感は、岩場だろうが、ザレザレ/ガレガレの場所を快適に歩かせてくれるが、正直になところ、自分が行く山域やコースのレベルから考えると、安定感をもう少し削いでも軽量化したいなと思ったりもする。ただ、重い荷物を担ぐテント泊でも使用することを想定しているため、日帰りだけで判断するのは早計である。

お手入れ

ワックスをしっかり馴染ませておけば、登山終了後、水洗いと簡単なブラッシングで汚れは落ちる。毎回ワックスをつける必要はないかもしれないが、水洗いだけで済ますと所々ワックスが落ちてしまった部分が目立つので、面倒ではあるが毎回ワックスをつけている。

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ただ、付けすぎるとベタベタになってしまうので、毎回極薄に伸ばして塗ることを心がけている。ヌバックレザーの靴はこういったメンテナンスが楽しかったりする。

 

使用中の写真はなかなか難しい

登山中に自分の靴を撮影する機会は少なく、またアングルが難しい。とりあえず、アルバムの中にあった写真で使えそうなものを集めてみた。

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初装着(磐梯山)。こうして見ると、それほどバカデカいわかではない。

 

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赤岳もコイツでトライ。安定感スゲーと感動した。

 

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天狗岳山頂。

 

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これは最近の写真。何度か使っているうちに、シワが入ってきた。

 

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本社ヶ丸の稜線歩き。足場が落ち着かない岩場ほど威力を増す感じだ。

 

IMG_6187至仏山

防水で保温性も高いため、厳冬期で風がピューピュー吹いていたり、あるいは12本アイゼンの装着が必要な環境を除いて、雪道も問題ない。これは残雪期の至仏山でチェーンを装着したもの。

 

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北岳テント泊でも使用。テント装備を担ぎながら急登を登ったが、重い荷物を持っても靴がしっかり重さを支えてくれる感覚で安定感が素晴らしかった。靴自体が少し重いので、テント泊のようにザックが重い場合はその点だけは注意かもしれない。

 

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歩き終わってワックス掛けした後は、しばらく暗い場所で乾燥。

 

最後に

この靴を他の方にお勧めするかどうかは、第一に自分の足にあっているどうかで、これが90%くらい。足に合っていて、安定感のある靴がほしい方には是非試し履きしてもらいたい。革靴のメンテが好きというコレクター魂全快の方にも、特に。ただ、世の中もっと軽量な靴もあるので、無理にチベットを買わなくていいのかもしれない。自分も、仮に足型が合っていれば、ワンサイズ小さいタホーを選ぶと思う。とりあえず、じっくり足に馴染ませた靴なので、今年はテント泊に投入したいと思う。

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おしまい。

 

以下、過去に書いた登山靴に関する記事の一部です。 

 

 

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