K10's Memorandum

いきなり登山が好きになりました

【追跡】EPSON WristableGPS MZ-500Y(GPS時計)を使ってみた!(更新あり)

今回は特別投稿です

なんとGPS腕時計のモニターに当選してしまった。ある日、自宅PCで登山情報を閲覧していたところ募集を発見し、何気なく応募しただけなのだが、何と幸運なことだろうか見事当選。モニター登山会に参加することが条件であり、8月某日に参加した。

何とも高価な道具を無償で頂いてしまったわけで、とりあえず、こいつを使ったレビューの1個でも書いておこうというわけである。ただ、宣伝広告塔ではないため、容赦なくPros/Consを出させてもらった。

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使用後の感想(サマリー)

【GOOD】

  • 【外観】リストバンドに無数の穴があるため、細腕の自分でもきちんと装着できる。
  • 【重量】とても軽量である。
  • GPS】正確な高度計表示とルート上の現在地の表示。
  • 【ナビ】ログの中断やアクティビティ設定で、行動時間を何に使ったか管理可能。
  • 【連携】ヤマレコと連携して登山計画/結果を共有できる。
  • 【連携】Bluetoothスマホと連携し、登山記録の概要をスマホで確認可能。
  • 【電源】フル充電であればバッテリーに不安は全くない。

【BAD】

  • GPSGPS信号を失うと、時計以外の機能は使用できない。
  • 【連携】時計とスマホ、そしてヤマレコとの共有の専用ソフトの使い勝手がイマイチ。
  • 【外観】リストバンドがややチープな質感。
  • 【手間】オンライン登山計画書を利用していない場合、登山計画を作って共有する手間が発生するため、少々面倒に感じるかもしれない。

 

【Check Point 1 】外観/格好良さ(街用では。。。)

Cool係数:やや不満

モデルはMZ-500Yというライトイエローのモデルである。この色は、街用で装着するには少し派手すぎる。ただ、この点は考慮外。カッコ良さの点数を下げた原因は、リストバンドである。

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軽量化のためだと思うが、リストバンドはラバー仕様。これは良いのだが、ただ、質感としてはチープである。これは多分に、ライトイエローという色に起因しているところもあるかもしれない(ブラックモデルは少し印象が違う)。少なくとも、カッコよさ、つまり街中でも積極的に装着したくなる時計、という視点でいくとマイナスである。

 

【Check Point 2】装着した心地良さ(軽い!)

 Comfortable係数大満足

地味なポイントかもしれないが、装着した心地はとても良い。

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再びリストバンドの話になってしまうが、沢山のが先端から時計側にかけて開けられている。軽量化をしつつ、これだけ穴があることで、腕へのアジャストがしやすい。自分のような腕が細い男性も安心して装着できる。

 

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時計自体の大きさも丁度良い。G-Shockのようなゴツい系腕時計をすると、時計版が腕をはみ出してしまうのだが、そんなこともなく安心した。

そして、何よりも、この時計は軽いのである。説明書では70gを切っていたと思うが、登山において、安全面に影響がなければ、軽いことは正義である。

 

【Check Point 3】画面の見やすさ

Clear指数:普通

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外で見ると、液晶画面は若干見づらい。コントラストを変えられるので、それで調整すれば少しは良くなるのだろうか?

 

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「表示の反転」をするとご覧の通り。写真写りはベース黒の文字白抜きのほうがカッコいいかもしれない。なお、照明もついているので、暗くても問題はないが、これはデジタル時計では当然の機能だろう。

 

【Check Point 4】GPS精度

Reliable係数:評価???

さて、評価が難しいのがGPSの精度である。WristableGPSを使って登った山は4。燕岳テント泊、金時山日帰り、霧ヶ峰日帰り、そして先日の赤岳である。

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ご覧の通り、赤岳山頂でGPSで計測されている標高は2,899M。ピッタリ。標高や位置情報の精度は高い。もちろん、電波の受信環境によっては、標高などは誤差はでることもあるが、地図で自分の現在地を知るのに必要な精度としては十分だと思われる。

では、なぜ点数が???なのか。

実は、燕岳で使用した際、登山口でGPS電波をキャッチしたのだが、登山開始早々、電波がキャッチできなくなり、結局、下山するまで一度もGPS電波を捉えることなく終わってしまった。その後、家に戻って、一度端末をリセットしたら機能は回復したのだが、一体燕岳で何が起こったのかが不明である。他3回の登山では快調に動いていただけに、この1回の出来事は残念でならない。ちなみに、GPS時計なので、GPS電波が得られないと時計以外は使い物にならないGPSという核心的な機能だけに、説明書も含めて、対応策をもっと明示的にしてもらいたいところである。

 

【Check Point 5】ナビゲーション機能

Convenient係数:大満足

WristableGPSに予め登山ルートを登録しておくと、GPS機能を駆使したナビゲーション機能が使用可能である。なんだナビゲーションって?

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超便利な標高情報と標高マップ

赤岳登りの1枚。時計に表示される「山」の形は、赤岳登山において、美濃戸口→行者小屋→文三郎尾根→赤岳山頂→地蔵尾根→美濃戸口というルートを「標高」で表示した画面である。

写真の通り、縦に2本ラインがあり、

  • 右側:次のチェックポイント(写真は、次のチェックポイントは行者小屋2,357M)
  • 左側:現在位置(標高2,000M)

この画面を見ることで、自分がどのくらいの標高にいるのか、直感的に把握できる。そして、何よりも、この先の登りの「キツさ」も把握できる。行者小屋から先のルートが、異常なほど急勾配なことがわかるのである。

また、標高がわかることで、紙の地図と組み合わせ、ルート上のどこにいるかも把握可能である。ご存知の通り、美濃山荘〜行者小屋まではチェックポイントがなく、地図を見てもどこにいるかわかりづらいのであるが、GPS時計の標高と地図上の等高線の2つの情報があることで、現在地の把握が可能である。また、山の形をした標高マップを見ることで、自分がこれから「どれくらい登るのか」も直感的に把握できる。これは非常に便利である。

 

ペース配分に役立つ(水平)位置情報

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こちらも、ナビゲーション機能で表示されるマップである。先ほどのマップは標高が出ていたが、こちらは、真上から見たマップである。地図の南沢ルートがそのまま表示されているのと同じである。登山中に撮影を忘れたため、自宅撮影の上記写真はナビ機能がオフ状態になっている。こちらのマップでも、GPS信号により、自分がコース上のどこにいるかが表示される。先ほどの標高情報とあわせて、「あとどのくらい?」という疑問に直感的な答えを提供してくれる。

このナビゲーション機能は個人的にはとても登山中に助けになるものである。

 

【Check Point 6】連携:登山計画/登山結果の管理

User-Friendly係数:満足

ヤマレコとの連携

Check Point5で書いたナビゲーション機能を利用するためには、WristableGPS本体に、登山ルートや登山計画の情報を登録しなければならない。ここで、レコ登場。ヤマレコで登山計画を作成し、その計画をそのままWristableGPSに送ることができる。

 

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ヤマレコで登録したルートを元に、先ほどの標高マップなどが作られるようだ。

 

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そして、これが登山結果。

写真には入れていないが、自分の歩いたルートと、それぞれのコースタイムも集計される。ちなみに、今回の赤岳登山前に設定したのは、美濃戸口、美濃戸山荘。。。といった具合に最低限のチェックポイントだけであったが、写真の通り、コース結果の情報は、当初設定していないマイナーなチェックポイントの通過時間も示してくれる。

 

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そういえば、メモリーに「百名山」のコースが標準搭載。

 

スマホとの連携

Bluetoothを介して、WristableGPSスマホと連携可能である。その際には、Run Connectというアプリ(無料)をスマホにダウンロードする必要がある。先ほどのヤマレコとの連携も、このアプリを介して行われるので、アプリは必須になる。

 

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WristableGPSから登山記録をRun Connectにアップロードした画面。登山中、あるいは登山直後に、Bluetooth経由で登山記録をスマホ画面で即座に確認できる。この登山記録をヤマレコにRun Connectからアップロードすれば、先ほど見たように、ヤマレコの画面から登山記録が閲覧できるようになる。

何てことはない作業だが、Run Connectは少し使いづらい面もあり、慣れるまで少し時間がかかるかもしれない。ただ、スマホやヤマレコとの連携をしないと、この登山時計のメリットを享受できない。

 

【Check Point 7】その他の項目

上記の項目に含まなかったものとして2点。

バッテリーについては、日帰り登山であれば全く問題ないが、長期縦走だと微妙になってくるかもしれない。全開で使用した赤岳(前泊でもちょこちょこ使っていたので、純粋な日帰りではない)では、帰宅後はまだ充電は半分以上残っていた。1泊であれば問題ないが、2泊したらギリギリかもしれない。

また、意外に馬鹿に出来ないのは、設定が面倒であること。これは、仕方がないことなのだが、登山計画を作成し、アップロードし、時計と共有し。。。という作業はある一定の時間が必要である。急いで準備している最中だと、「ああ、もういいや」となってしまい、「GPSなし」の時計に手が伸びてしまうことになりかねない。リスタブルGPSは便利な機能を備える「優れモノ」だが、機能を生かすための「仕込み」の手間というものがクセモノである。ただ、後述するとおり、オンラインで登山計画書を出している方は、登山計画書のデータを時計に送るだけなので、作業はあっという間である。

 

総評

一言で言えば、軽くて便利。次回の登山でも必ず装着する。

本当に残念だったのが、燕岳でのフリーズ。今後10回-20回と使う中で、再発しなければ良いのだが、本当に必要な時(道に迷った等)にGPSが作動しないと、かなり悲しい。もちろん、GPS電波はどこでも受信できるわけではない。ビル街のような頭上が開けていない場所ではキャッチ困難である。

また、間違ってもGPS時計だけで大丈夫、と勘違いしないことも必要である。本文でも書いた通り、自分の位置を知るには地図も必要である。また、GPSが作動しない、電池切れなどのケースのバックアップとして、地図は絶対必須である。何時間も歩き回る場所で地図を持たない、という選択は愚かである。

準備(仕込み)時間が少しかかる点を指摘しているが、これは考え方次第である。今や登山計画は現地ではなく、事前にオンラインで提出する時代である。ヤマレコの登山計画は、そのまま登山計画書としてCompassから提出可能である。登山計画書は毎回出さないと高山帯は登ることができないため、登山の前日とかその前に、余裕をもってオンラインで登山計画書を提出し、その際に、データを時計にも提出(共有)するというくらいに考えておけば良いのではないだろうか。

 

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どちらにしても、高価なお買い物になると思うので、じっくりご検討ください!

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阿弥陀岳側を背景に1枚

 

その後使い続けて(2017年10月22日追記)

宣言通り、その後の登山でもWristableGPSを使い続けてみたので、後日談としてこの項目を追加した。主に使用したのは、霧ヶ峰北穂高岳で、9月初旬にいった南アルプスでは携行したが、事前に準備時間がとれずナビ機能は未使用である。

GPSロスト問題

燕岳で発生したGPSロスト後、登山中回復しなかった件。その後、同様のことは発生していない。何か変な操作をしてしまったのか、単純にソフトウェアが機能しなかったのかは不明だが、とりあえずは二度とないことを祈ろう。そういえば、前回の症状発生時は、オンラインのユーザーマニュアルをフムフムと読み込だ。GPSの問題は開けた屋外でトライすべし、とあったが、特にこれに効果はなく、強制リセット(全てのボタンを同時に長押し)でシステムごとリセットしたら治った。これは最終手段である。なぜなら、リセットにより時計に保存したルートデータが消えてしまうため、その後はナビ機能が実質的に使用不能なGPS時計となってしまう。GPSが使えれば位置情報や時計は作動するので問題ないが、やはりこの時計はナビ機能あってのものである。

 

ポイント送り機能

事前に登山ルートをヤマレコで作成し時計に保存する際に、例えば登山口→A峠→B分岐みたいな形で、いくつかのチェックポイントを設定することになる。

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これは前回の北穂高岳の地図だが、この地図上の◯印を画面上でつなげて、自分のルートを作成することになる。そして、ナビゲーションを作動させると、標高グラフでは次のチェックポイントと、今自分がいる場所の標高が表示される。チェックポイント通過時に「ピピ」っと音がなりチェックポイント到着が知らされ、標高グラフは次のチェックポイントの標高が「次の目標として」表示される。

自分が使ったときには、この「到着しました」が認識されないことが何度かあった。なぜか?例えばある山小屋をポイントとして登録したが、自分は山小屋で休憩せずに通過した場合、ナビに設定した「座標」を通過せずに進んでしまうことで発生するのだと思われる。到着を認識しないと、いつまでも標高グラフの目標は、通過したはずの山小屋を指してしまうし、この状態で仮に次のポイントを通過しても何も起こらなくなってしまう(次のポイントで「到着しました」にならない)。

最初は対処法がわからず、なんだこりゃ?と戸惑った。戻ってルート結果を見ると、途中の通過タイムが飛んでいたりしたのだ。

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この対処法は、「ポイント送り」機能で解決するようである。

 

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こんな感じで、次の目標ポイントを動かすことができる。先ほどの山小屋の例でいけば、山小屋でポイント到着が認識されなければ、ポイント送りで山小屋の次のポイントに目標を再設定してしまえば、無事、時計が次の目標を識別してくれる。

このリカバリー方法を、登山中に自力で発見した時は、とても嬉しかった。

 

バッテリーはどこまで耐えられるか?

これまで日帰りか1泊2日の登山で使用してきたが、バッテリーに問題は感じなかった。先日の北穂高岳は2泊3日であり、どこまでバッテリーが持つか注目していた。結果からいえば、フル稼働に近い状態であったが問題なし。

WristableGPSはナビ機能を使っている時間のバッテリー消耗が、当然である通常時よりも激しくなる。北穂高岳登山では、初日上高地バスターミナルから徳沢までの2時間、2日目は徳沢から涸沢カールを経由し、そこから北穂高山頂をピストン、合計12時間以上。そして、最終日は涸沢カールから上高地まで下山で5時間程度。いわゆる行動時間と呼ばれる時間帯は20〜22時間くらい。

登山終了後、電池残量もかなり余裕が残っており、2泊3日でも安心して使えるようだ。北アルプス表銀座縦走くらいまでカバーできれば、自分のような登山スタイルでは十分である。

最後に

デジタル一眼レフカメラもそうだが、WristableGPSのような多機能搭載の機器を使うにあたっては、使いまくって操作を覚えていくのが一番だと思っている。まだ使っていない機能(例えば距離計算機能、長時間モードなど)も残っており、少しずつ覚えて行きたいところである。

 

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