K10's Memorandum

いきなり登山が好きになりました

【想定外】バラエティに富む夏の磐梯山を滑るように下山(2017年8月5日)

期待を良い意味で裏切る山

の動きをする台風5号。先週に引き続き、今週も週末の山の天気予報は不安定。なんというKYな台風だろうか。仕方ないので、今週は台風から遠くに位置する山を選ぶことにした。福島の磐梯山である。今年始めに安達太良山へ行って以来の東北遠征。東北新幹線を使えば、この地域も公共交通機関で十分に日帰り可能である。磐梯山については、「何となく安達太良山の近くにある」くらいに考えており、今回の選定も「天気が良さそうな山」という消極的な選定であった。期待をあまりしないで臨んでしまったが、良い意味で期待を裏切られた。 

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登りで常に背にいた檜原湖

 

磐梯山のルートとコースタイム

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梯山の登山道をインターネットで調べると、いくつかの登山口が用意されていた。最も人気があるよいう八方台登山口から登るルートは、標高1,194Mから登り始め、2時間ほどで頂上に到着できる。しかし、駅からバスでこの登山口まで行くには距離がある。このため、磐梯登山口から頂上を目指すことに決定裏磐梯は、その名の通り磐梯山裏側から登る。しあし、良い時間のバスがないため、タクシーで登山口まで行く羽目になった。そして、当初は、裏磐梯登山口からピストンの予定だったが、途中で気が変わり、表磐梯側に降りるルートとなっている。単純に、駅が南にあるので、このルートの方が帰りが楽だろうという、極めて短絡的な考えと、山頂での意図的な待機が原因である。

磐梯山の最寄り駅はJR猪苗代駅。東京から東北新幹線を使えば郡山まではあっという間に着くが、郡山から先は、流石にアクセスの良さは一気に落ちる。一番早い新幹線で向かったが、猪苗代駅に着いたのは9時過ぎ、何とか10時前に登山開始となった。

裏磐梯登山口から山頂までのコースタイムは登りが3時間半。そこから表磐梯側の翁島登山口までの下りは2時間半。合計で6時間くらい、というのが標準コースタイムとなる。

 

独特な登山道を進む(登山口から八方台登山口ルートとの合流地点)

苗代駅は磐梯山の南側(表)にあり、登山口の裏磐梯は山の反対側。タクシーに乗りながら、磐梯山を眺めていたが、駅側から見ると、とっても綺麗な形をした「色の山」という印象だった。安達太良山を登ったのは冬だったので、考えてみれば無雪期の東北の山はこれが初めてだ。やはり、甲信越や関東近郊とは少し趣が違うようだ。テンションが上がってくる。

 

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登山口を進むと、突如こんな場所に遭遇。雪のないスキー場と動いていないリフト。どうやらこのルートは人気がないのか、人が全くいない。本当にこのルートを上がって行けばいいのだろうか?

 

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全くをもって急登ではないが、スキー場なのでそこそこな勾配。日差しを遮るものはないのでとても暑い。振り返って見える檜原

 

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登山道と言うか、丘を登る様な道を進むと、最初の分岐に到着。「」という文字にとても惹かれる。しかし、今日はスタートが遅いため、寄り道はしづらい。黙って山頂方面へ進む。

 

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少し進むと、再び標識。噴火壁?

 

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どうやら、ここがスキーリフトの終着地点らしい。相変わらず檜原湖が背後にいる。

 

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と書いて、アカヌマ、と読むようだ。リフト終着地点から10分も歩かず、この沼に到着する。サイズ的に普通の池、沼なのだが、独特な色が何とも印象的。

 

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銅沼通過後は、しばらく平和な登山道が続く。危険箇所ゼロ&勾配もほとんどない、というよくあるパターンであるが、このエリアは全体的に人の侵入が少ないのか、手つかず感がある道だ。

 

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けたところで一瞬、何かが見えた。壁だ。そういえば、さっきの標識にも「噴火壁」と書いてあった。

 

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壁をチラ見したエリアあたりから、少しずつ登山道が変化する。

 

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整備されている様な、若干散らかっているような道。ぬかるみを除き、歩きやすいし、とても涼しい。水も豊富な登山道である。

 

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そうこうしている内に、八方台登山口からの登山道と合流。ここまで、団体登山客1グループを遭遇したが、それ以外は人に会うこともなかった。この合流から先で沢山の登山客とすれ違ったことを思うと、やはり裏磐梯のルートは人気が薄いのだろうか。少なくとも、バス/タクシーでアクセスする自分にとっては、八方台に回るという選択肢はない。

 

合流地点から登り開始

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登山道らしくした道が開始。やはり登山は負荷がかからないと楽しくない。

 

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時折開けて遠くの方が見える。ここは大分古い噴火口なのか?凹みに緑が覆っている。そして、その向こうに何かが見えてきた。登山道に向かう途中、表側の磐梯山は綺麗な緑の山だったが、こっち側(裏)は崩れた様な、何とも言えない荒々しい感じ。登って行くにつれ、表と裏のギャップをより強く感じた。

 

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小屋までもう少し、ということなのだろうか。

 

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岩の道をひたすら進む。ただ、岩は大きくない。それよりも、登山道が狭い。

 

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尾根へ突入。周りの樹も低く、前の方は明るい。

 

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弘法清到着

ここで丁度正午くらいだったので、ランチ休憩。小屋というか売店が2つあり、このあたりは広場になっていて、結構な数の人がいた。やはり人気の山のようだ。

 

弘法清水でノンビリ展望を楽しむ

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嬉しいことに、この広場にはがある。非常に暑く、水を大量に消費していたので迷わず補給。そして、水を汲んで、おにぎりを食べようと腰掛けようとした時、思わず息をのむ。

 

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この場所からの展望は素晴らしい

左に見えるのは天狗岩(?)。そして右にハゲハゲの山がもう1個見える。この崩れそうな材質で作られた山は、登山可能なのだろうか?左の奥に映っているのは、檜原。今日見たのは何度目か。

 

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しレンズを横にズラしてみる。登りの途中、この広場に出る前に二股に割れる地点があったが、この写真に写っている道がもう1個のルートだったようだ。

 

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広場を下側から撮影。広場よりも、これから向かう山頂にかかる雲が気にかかる。15分ほどノンビリして、山頂へ向けて出発。

 

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がかかっている、まだ。しかし、空を見ていると、雲の移動速度は早い。頂上に行く頃には、きっと切れているはず。と信じて行軍再開。

 

山頂へ。最期はそれなりのキツさがある

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この看板の奥に、山頂への道が続いて行く。とても狭い登山道で、反対方向から来る人がいると、しばらく待つ必要あり。本日、沢山の学生諸君が登っており、通過待ち5分が何度も発生した。

 

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となくこの写真を見ると、石の上を歩いているだけのように見えるが、実際にはそこそこ傾斜が出てきている。同行人は、若干バテはじめる。どうやら、山がキツいというよりも、二日酔いだったらしい。

 

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なかなか登る。そして、階段も登る。この先が明るくなっている。山頂か?

 

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あれ? 違う。もう少し尾根を進まないといけないようだ。

 

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狭い尾根を上がって行く。最期の最期に、なかなかな登り。気持ちいい。

 

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着!

到着早々、2つのことを感じる。雲が切れていない、残念。そして、、、トンボ集団。写真に写る黒い点々は、全てトンボである。中にはハチやブヨも混ざっている。かなり鬱陶しいが、仕方ない。

 

雲が切れるのを待つこと。。。。(山頂にて)

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初は山頂が真っ白で残念な気持ちでいっぱいだったが、周りをよく見ると、こんな感じである。待っていれば、雲が切れてパノラマ展望にありつけるのではないか?このため、ここで暫く待つことにした。

 

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正解だ。

先ほどのハゲハゲの崩れそうな材質山。(名前はなんだ?)

 

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対側の展望。雲が邪魔で、なかなかスッキリしないが、遠くまで広がる感じがたまらない。そして、向こう側の雲が美しい。

 

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もう一枚、同じ側。少しレンズを右に移動。ちょうど雲と同じ高さにいるような錯覚になる。右側からチョコんと乗っかって、向こう側まで雲の上を歩いて行けそうだ。ここからレンズを左に移すと猪苗代湖。。。なのだが、肉眼では見えたが、薄ら雲が苦ぶっていて、写真にするとダメであった

 

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山頂の標識を撮影。猪苗代湖は雲が遮ったが、十分に展望に満足だ。

 

お手本の様な下り登山道

山頂で雲が切れるまで待ったこともあり、当初のコースタイムから大きく逸脱していた。裏磐梯山へピストンで戻ると、下山は5時近くになりそう。このため、ピストンを中断し、そのまま表磐梯側へ向かって降りることを決意。

 

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うやらこの選択も正解。登りと違い、今度は樹のない尾根道を平野に向かって一気に滑降して行くような登山道。なかなか凄い。

 

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正面に広がるパノラマ展望、そして抜群の高度感、しかし全く危険な感じがない。素晴らしい下山ルートである。

 

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ちょっと記念撮影をしようとする、な男がいる。そして、横には。。。

 

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猪苗代

山頂でクッキリ見えなかったが、下山中に雲が切れた。デカイ。

 

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一気に下っていく。振り返ると、岩場の道が見える。これは、登りで選択したら結構キツイルートかもしれない。

 

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1カ所だけ、滑りやすいのでロープがあった。凍っていたら少し怖いが、無雪期であれば、ちゃんと足下を気をつければ全く問題なし。繰り返しになるが、この下りは、本当に素晴らしい。時間にして40分くらいだったと思うが、普段は退屈な下りが非常に楽しい。

 

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そのあと、樹林帯に突入する。こちら側は、「表磐梯」と言うので、平和な下り道を想像していたが、樹林帯に入ってからも、結構な段差だったり、写真の様な少し気を使う岩があったり。1時間半で500Mくらい下りロープウェイのある標高まで降りる。実はこのあと、樹林帯を下るのが面倒で、営業していたロープウェイを使ってしまうのであった。。。。

 

最期に

期待値があまり高くなかったせいだろうか。あるいは、久々に晴れた山に登ったためだろうか。登山口から登り始めてから降りてくるまで、登山道の変化、雲の流れと眺望にとても満足できた一座だった。それほど難易度の高い山ではないだろうが、ストイックに体力を絞り出すように登る名山もあれば、こういう変化に飛んだ山も良い。何となく、男体山(湖が背後にある)、瑞牆山(下山ルートの岩岩)も彷彿とさせる。東京からの電車での日帰りも無理もなく、かなりおすすめ。また行きたい。

 

おまけ (服装)

例によって、今日も半袖で出掛けた(爽快感が半端ないので)。しかし、背の高い笹や、山頂近くで低くなる樹木、そして襲撃してくる虫(今日はハチはいなかった!)を考えると、無防備感が半端ない。やはり、我慢して長袖にすべきか、それとも。。。

 

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銅沼の写真をメチャクチャに現像してみる

 

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