【落とし穴】少し雪の残る蓼科山登山(7合目登山口)での誤算(2017年5月27日)
先週に引き続き好天に恵まれた週末。スケジュール上、前泊も後泊も出来ないため、またしても「公共交通機関」で「日帰り」のプランを練ることになった。同行人は山梨・長野側で、危険度の少ない山を希望。権現岳に再度...という言葉も一瞬過ったが、もう今年になり2回も行っている。そういうわけで、八ヶ岳ではないが、八ヶ岳に繋がっている蓼科山に決定した。駅からのアクセスが難儀だが、行動時間を短く抑えられるのため、日帰りに最適である。
〜鳥居と広大な岩、山頂に普段はないものがある〜
本日のコースとタイムスケジュール
最寄りはJR茅野駅。蓼科山の地図を見ると、北横岳ロープウェイ麓駅の近くに登山口が1個(蓼科山登山口/女神茶屋)、そして、蓼科山の反対側、白樺湖の方から登る登山口がある(7合目登山口)。王道は南側の蓼科山登山口から行くのかもしれないが、7合目登山口は、頂上までが2時間かからない手軽なコース。これは素晴らしい。
そう言うわけで、茅野駅から見て遠い方の登山口から登り、手前(蓼科山登山口)に降りてくる、というのがプランだ。コースタイムは、地図では7合目登山口から「将軍平」が90分、そこから山頂が40分。山頂から蓼科山登山口/女神茶屋が2時間。写真を撮りながら、ノンビリと景色を楽しめそうである。
新宿7時発の特急あずさ(始発)で向かい、9時過ぎに茅野駅へ到着した。
7合目登山口から始まる登り
いきなり7合目から開始とは、何ともチート感が大きい。しかし、日帰りである。仕方ないのである。
早速スタート。今日も鳥居で始まる登山だ。
笹が沢山の道から開始。2時間で山頂なので、もっと最初からエゲツない急登かと思いきや、負荷がそれほど掛からない道が続く。
天気が抜群に良い。樹林帯に光が注ぎ込み、色々な緑色を作り出す。
15分か20分したところで、道に石が増え、勾配もついてくるが、まだ問題はない。
もうこの辺りは、地面は石だけ。勾配はそれほど気にならない。
意味もなく、あたりを撮る。どうやら前半戦は、完全にウォーミングアップのエリアのようで、こういった写真が沢山残っていた。
天狗の露地
という標識があった。奥に何かあったのかもしれないが、興味があまり湧かずスルー。ここまで、若干キツめの登りが1度あったが、これといった難所はなし。
天狗の露地を超えた途端、山道の様子が変わり始める。勾配アップ。倒木と岩、そして傾斜で、少しずつ雰囲気が出てきた。
ここは将軍平のちょっと前のあたり。天狗の露地を超えてから、残雪が見られるようになる。アイスバーンや、切れ落ちている場所もないので、チェーンスパイク等も不要。
将軍平到着
将軍平から山頂への岩場急登
出発から将軍平までは1時間強。写真を撮りまくっていた割には、コースタイムで収まった。将軍平の蓼科山荘で、ユニークなお土産を売っていたが、無難に百名山バッジだけを購入。ここからは岩場急登とのことなので、手袋、若干の防寒なども準備。
早速急登。そして、腐った雪のオマケ付き。アイスバーンあり。登りはともかく、下りの人たちは結構大変そう。岩が多いので、滑っても止まるとは思うが、明らかに痛そう。自分だったら、チェーンスパイクくらいは履く(下りは)。
岩と雪のミックス。鎖のオマケ付き。岩自体は乾いており、凍結もなく、鎖がなくても問題なし。
岩
幸いなことに、上の方の岩には雪があまり残っていなかった。勾配がある岩場なので、高所恐怖症の方にはオススメしない場所である。この岩場ゾーンが終われば山頂である。しかし、最後に試練があった。
トラバース
雪質、左にカーブした感じ、八ヶ岳エリア...あの苦い記憶が蘇る。
距離は短く、雪の締まり具合も権現岳のようにメチャクチャではなかったが、もの凄く緊張した(しかもアイゼンを履いていなかった)。謎の冷や汗を大量にかいて、ようやく山頂に到着した。
異様に広く、異様に岩が多い山頂
たった2時間だったが、最後に冷や汗をかいて山頂へ。
話には聞いていたが...
山頂かと疑うほど広く、また、岩だらけ。冒頭の写真の鳥居も、この岩の広場のど真ん中にいらっしゃる。
岩の圧倒感に加え、このパノラマ感。
地図で見ると八ヶ岳はそれ程は慣れていないが、実際に見ると距離を感じる。でも、こうやってみると、北八ヶ岳からずっと繋がってるのがわかる。このパノラマの難点は、反対側の景色を見ようとすると、岩場を横切らなければならず、時間がかかる。
とりあえず、無事登頂と絶景にお礼。
ゆっくりランチを食べ、彼方此方で景色を写真に納め、下山開始。
結構な距離感と勾配感のある下り道
下りは、岩場から開始。結構際どい部分もあり、自分はあまり好きではない。ごくたまに、動く岩(浮き石)があったりもするので、結構慎重に下った。
下りは、雪がなかったが、岩や石の多い急坂が長く続く。下りだったのが幸いだったが、これ、登るとなると結構なエネルギーを使いそうである。山頂付近を除けば、危険なところもなく、速度を上げて下山した。しかし、どういうわけか、下山タイムは2時間ジャスト。思った以上に山頂付近の岩場で時間をかけてしまったのだろうか。
かなり下ったところで撮影した1枚。新緑と笹が綺麗だ。登山開始のときも思ったが、本当に緑が素敵な地域だ。
ゴール
バスを待つ
先ほどの写真でバスを待つ。蓼科高原ラウンドバスという路線で、茅野駅まで帰れるはず。下山したのが3時20分頃。時刻表を見ると3時30分でちょうどいい。しかし、来ない...
同行者が時刻表に記載されていた電話番号に電話してみると、なんと、本日運行しておりません、というではないか。どうやらこの路線は「特定日のみ運行」というバスらしく、この登山ハイシーズンにも関わらず、バスは動いていらっしゃらない。
これは隣のバス停で撮影したものだが、確かに、一番上に赤字で運行日が記載されていて、GW、夏休み、紅葉シーズンだけ動いている感じである。
そうなると、この付近でバスに乗るには、北八ヶ岳ロープウェイ駅くらい。
6.4キロ、1時間21分
途中までは下り道なので問題ないが、最後は上り坂。何をやってるのやら。
しかも、終バスの時間(16:45)にギリギリ間に合わず、タクシーを呼ぶはめになった。
こんなことなら、最初から、蓼科山山頂から北八ヶ岳に縦走して、ロープウェイで降りてきたのに...と思ったが、まさに後の祭りである。
本日の装備(備忘記録)
残雪の可能性もあり、軽アイゼンだけは持っていったが、結局ザックから取り出すことはなかった。ただ、山頂付近の雪は、装備しても良かったかもしれない。
先週の男体山は完全に夏山仕様だったが、今回は標高とエリアを考えて、ベースレイヤーはメリノウール薄手にした。これは正解で、風は結構冷たく、若干の保温力があって助かった。頂上付近では、終止防風レイヤーが必要だった。
最後に
好天と絶景、そして新緑が印象的な登山だった。しかし、山頂付近のトラバースで肝を冷やし、一番最後に一般同縦走というアクシデントがあったため、そっちの印象も色濃く残った。南八ヶ岳の山よりもコンパクトなコースなので日帰り登山に向いているとは思うが、やはり、茅野駅からのアクセスが大変である。バスで100分を超える移動時間は、なかなか迷うところだと思う。