【七変化】岩と鳥居の連続 男体山へ日帰り登山へ行く(2017年5月20日)
金曜から日曜日が天気予報晴れ、ということで、この土曜日は登山計画には最適。残雪のアルプスに踏み出すか迷ったが、あるブログで男体山の記事を見かけ、日光に出向ことにした。日光は同じ関東にあるのに、やたら遠かったのが印象的だ。後でも書くが、男体山は、2,400Mを超える標高、危険の少なさ、登山道の変化、展望の良さなどなど、実際に登ってみて、なるほど人気があるわけだと納得した。
〜山頂にデカい二荒山大神がいらっしゃる〜
- 男体山のルート、アクセスとスケジュール
- 二荒山神社中宮(登山口)からのウォーミングアップ
- 岩、岩、岩と続く登山道(4合目〜8合目付近へ)
- 8合目から山頂に至る
- 広い頂上エリアを探索する
- 本日の装備(備忘記録)
- 最後に
男体山のルート、アクセスとスケジュール
地図を見ると、男体山は複数の登山口があるようだが、一番ポピュラーと思われる二荒山神社中宮から登ることにした。そう言えば、二荒山神社という名前は日光には3カ所あるようだ。1個は日光東照宮の近くで、他の2個は中禅寺湖側である(電車で行く場合、バス/タクシーで「いろは坂」を超えていく)。登山口は中宮で、男体山の終点(山頂)は奥宮と呼ぶとか。
コースタイムは、登り3時間50分、下り2時間30分なので、6時間30分くらい。ランチ休憩等を入れると7時間となる計算である。
【実際のコースレコード】
二荒山神社中宮登山口 9:00 → 山頂 11:40 → 山頂出発12:10 → 登山口到着14:10
ハイペースで進んだため、登り2時間40分、下り2時間10分。15時23分東武日光発の特急に余裕で乗れた。久々に軽快な登山だった。
二荒山神社中宮(登山口)からのウォーミングアップ
神社入口。ここだけ見ると、登山する場所には見えない。
地元駅の始発からアクセスできる最も早い東武鉄道を使ったが、東武日光駅に着いたのが8時過ぎ。そこから、二荒山神社中宮に着くと9時。同じ関東なのに遠い。
入山料500円を支払う列。天気も良く、登山客がいっぱい。勢いで百名山バッジを買ってしまった。
これが本当の登山道の入口のところ。登山道で鳥居を見ることは珍しくないが、この日出会った鳥居の数はとても多かった。
鳥居をくぐり、門を過ぎると登山道が始まる。
写真奥のとおり、最初は階段が続く。登山と言うよりお参りに来た気分である。ちょっと段差があるものの、ウォーミングアップには丁度いい。
階段が終わると1合目の表示。この後から登山道らしさが少しずつ出る。
1合目〜3合目までは、あまり変化も目新しさもなく、写真が残っていない。土の登山道をひたすら進むのだが、写真ではわかりづらいが、徐々に勾配が出てくるので、体が温まっていないと結構堪える。ただ、百名山を登っている気分というより、裏山を登っていますといった感じである。もしこれが3時間も続いていたら、この山が嫌いになるだろう。
裏山のような登山道が終わる。ここが3合目である。
ここから、まさかの舗装道路!
ポジティブに考えれば、裏山のような勾配のある登山道を終え、しばしのクールダウンの時間、ということだろうか。ところが、この舗装道路が地味に長く感じる。当然山道なので勾配も若干あるが、進めど進めど、「本物の」登山道が出て来ない。
白い鳥居がやっと見える。これが4合目である。
裏山のような登山道と、ダラッとした舗装道路と続き、集中力が途切れてしまった。このため、ちょっとだけ水飲み休憩。ここからが、男体山の本番のはず。
岩、岩、岩と続く登山道(4合目〜8合目付近へ)
4合目の鳥居を通過して、少しずつ登山道っぽい道になってくる。なぜか平坦な道に見える写真しか残っていないのだが。とりあえずは、超楽でも、超しんどいでもないくらいの登山道である。5合目に近づくにつれ、勾配も出てくる。
5合目通過。親切な登山道だ。
5合目通過してからは、まだ樹林帯ではあるが、勾配が徐々にキツく、また転がっている岩も大きくなってくる。登山っぽくなってきた。
少し開けたかな?と思ったところで、6合目の表示。まだ余裕である。
6合目あたりで一度展望が開けたのだが、6合目の表示を通過後、再び森の中へ。とはいっても、木の根、大きな岩が満載で、歩き易くはない。
森ゾーンを抜けると、一気に開けるのだが、ここからが岩祭り開始。この辺りの岩は、浮き岩も数多くあり、誤って後に落とさないようしないといけない。ただ、未熟者の自分は、何度か石を転がしてしまったのだが...
しかしである。いくら上を見上げても、岩、岩、岩
7合目
ちょっとした休憩地点になっている。避難小屋もあるし、岩場に座って体力を回復させることもできる。
7合目まで来ると、振り返って下を見ると、中禅寺湖の見事な景色が見える。水、食料に加え、素敵な展望は、何にも勝る活力源になる。
7合目を超えても、登山道というより、岩である。
個人的には、急登よりも岩場のほうが好きだが、これだけ長い岩場の連続は、なかなか地味に体力を消費する。
再び鳥居が現れた。
8合目か? いや、違う。
ここを通り過ぎてもう少し頑張ると、8合目である。
8合目である。瀧尾神社という小さな神社になっている。
この8合目を通過すると...
Nooooooooooo!
岩? そう、岩である。
しかし、絶望感は一瞬だけ。この岩場はすぐ終わり、突然登山道の雰囲気が変わる。
8合目から山頂に至る
再び樹林帯のような登山道になるのだが、残雪もちらほら。泥と混ざって雪と呼べる代物ではないが、坂道にも若干残っていたので、滑らない様には気をつけた。チェーンスパイク等は不要なレベルである。岩の連続攻撃に消耗したのか、他の登山客の足取りは重い。しかし、なぜか自分は突然元気になった。なぜだったのだろう。
樹林帯が終わると、明らかに登山道の色が違う。赤茶色である。
岩場ではなく、赤茶色のガレ場である。結構滑る。
ガレ場のような雰囲気が続き、黙々と登っていて、ふと後を振り返ると。
これはヤバい光景である。そして、横を見ると。
日光白根山だろうか?雪がかなり残っているではないか。
こんな景色に囲まれながら、赤茶色の上り坂をグングン登っていく。
何かが見えてくる。明らかに頂上っぽい。
広い頂上エリアを探索する
これは、山頂ぶ到着直後に遭遇する標識。山頂に到着して「登頂した!」という写真を撮る場合、大体標識が1個だと思うのだが、男体山の山頂には、それらしいものがいくつかある。記事冒頭に乗せた大神像もしかりである。
山頂で剣を発見した。権現岳にも剣があったが、ここのはもっとデカい。
当然記念撮影...
山頂にも鳥居がしっかりある。鳥居がいっぱいの山である。
軽くランチをして、さっさと下山に移ったのだが、頂上付近になぞの小さな虫が大量発生していたのが気になった。よく夏の日の夕方に蚊が大量に集まっているのをみかけるが、ちょうどそんな感じで、小さな虫があっちこっちに大量発生。ランチを楽しむ人々の邪魔をしていた。
下山は、岩場をスピーディに通るため、一眼レフはザックにしまったので写真はゼロ。ほぼノンストップで2時間で下山完了。あまりに急ぎすぎて、トレッキングポールを壊してしまう愚を犯してしまう。既に片方は友人に折られていたので、これも潮時、新しいポールを買おう。
最後の階段を下りて、登山開始に通った最初の門に近づくと、蛇口とタワシが置いてあったのは嬉しかった。神社の細やかな心遣いが嬉しい。水とタワシで登山靴やパンツの泥汚れを落とし、帰途についた。
本日の装備(備忘記録)
夏山のため、重い荷物はほとんどなかった。一眼レフを運ぶので、いつものオスプレイ38リットルを使用したが、結構余裕があった。夏用の1サイズ小さいザックがほしい。
レイヤリング
全て上下ともに薄手のみ。上は、スキンメッシュ(Finetrack)の上にポリエステルの長袖のハーフジップ。標高が少しあったが、レインウェア以外のアウターはゼロ。パンツも新調した薄手にチェンジ。気温も高く、登りは汗がすごかったが、期待通りの速乾性で心地よく登山が完了できた。
水補給
少し気になったのが、水。少しペースが早く行動してしまうせいもあり、水の消費量が普通の人より多い気がする。今日も2.5リットル持参したが、下りの4合目で飲み干してしまった。冬場はそれほど喉が渇かないから問題ないが、これからの時期、長距離登山を考えると、水場の活用、がぶ飲みしない効果的な水分補給など研究しないといけないかもしれない。
最後に
裏山のような登山道に、舗装道路と続いた時は、一体どうした!?、と真剣に思ったが、終わってみれば、岩場が続くハードな登山であった。岩場、がれ場、樹林帯、残雪のオマケまでついて、なかなか退屈のしないルートである。しかし、あの舗装道路は何とかならないのだろうか。実は3合目と4合目は直登できるとか、裏ルートがあっても良さそうなものである。
2000Mを超える山の山頂は、結構シンプルなところが多いような気がするが、男体山は、神社の奥宮というくらいなので、しっかりとした作りになっていたのが印象的だ。残念ならが富士山は見えなかったが、周りの山々もよく見え、中禅寺湖を見下ろす絶景も楽しめ、流石百名山、とシミジミと思った。