【超乾】騙されたと思ってキャプリーンMWを買ってみたの巻
そんなの知っていると仰らず!
今更ながらにして、Patagoniaのキャプリーンの速乾性について報告しなくても、登山道具を物色する人であれば皆知っている。自分もそんな記事やブログを何回も見た気がする。実は、すでにキャプリーンのLW(ライトウェイト)は1枚購入して持っていたりする。しかし、LWは1枚だけ着用(上に何も着ない)すると、いかにも「スポーツしています」風な外見になってしまうのが嫌で、温暖な時期は常にバックアップ登山着として使っている。ちょっと勿体ないが、気に入っていないのも事実で仕方がない。
常時出場のウェアの話
黄緑マムートの話
キャプリーンLWが常に補欠扱いになっているもう1つの理由は、このMammutのハーフジッップを愛用しているからである。
なんのモデルかは不明だが、某登山ショップでSale品としてハンガーラックに置かれていたものを手にして以来、多くの登山では、この黄緑マムートを纏って繰り出している。純粋なベースレイヤーというより、中間着とベースレイヤーの折衷のウェアで、生地にもLWに比べると若干厚みがある。例えば、キャプリーンLWや薄手ベースレイヤーをもう1枚を着て中間着のように使うこともできれば、こいつの上にフリースを羽織ってベースレイヤーにすることもできる。暖かすぎず、寒すぎず、また適度な速乾性と着心地の良さで重宝していたのだ。なお、厳冬期は流石に寒いのでICE BREAKERのウェア、真夏低山はTシャツに出番を譲ることはあるが、それ以外はほぼ一貫して、この黄緑マムートである。
何と言っても、背面下にあるマンモスマークがポイントでもある。
低山(写真は4月高水三山)で出動。新緑と同化。
高山帯でも出動(写真は10月北穂高)。とにかく使用範囲が広くて良い。
しかし、毎回毎回着ていると、摩耗や劣化もしてきてしまい、そろそろ後継を探さないといけない状態になってきてしまった。ところが、夏頃からウェアコーナーを色々見ていたのだが、どうもこれがいけない。今年のMammutのウェアは、ちょっと風合いが変わってしまって何かが違う。よりスポーティなイメージのものが増えたと言うべきなのかもしれないが、ものによってはウルトラマンのような模様だったり、いくらなんでもぶっ飛びすぎである。素材も用途を明確にしてしまっているので、黄緑マムートのように幅広く使える感じがしない。他のメーカーを見てみたのだが、これまた良いのが見つからない。どうもベースレイヤーは、ストイックなモデルばっかで、ゆる〜いフォームのものは少ないようだ。これではいつまでたっても購入に至らない、そんなわけで、結局、Patagoniaに寄ったときに、ド定番であることは重々承知の上、キャプリーンMWの購入を決意した。
暖色系愛好家の戸惑い
青色キャプリーンの印象の話
そういうわけで、購入したのはキャプリーンMW(ミッドウェイト)。LWは薄い布という感じだが、MWは、もう少し生地に厚みがある。色は、珍しくブルーを購入。というより、寒色系ばかりしか選択肢がない。赤いの作ってくれ。あくまでアンダーウェアという立ち位置で売られているのだろうか。
キャプリーンMWもラウンドネックやら、フード付きのやつもあったりしたが、ハーフジップタイプを選択。ラウンドネックは単純に嫌いなのでボツ。フードについては、ベースレイヤーを想定すると邪魔以外の何者でもなく、同じくボツ。ハーフジップは、温度調整もしやすく、着脱も割と楽である。購入後、写真のようにジッパーを下げて裏地を確認。細かい格子状になっていてドライ感に期待がかかる。
この紐は、中間着を着脱することを想定しているのでしょう。個人的に気に入っている。
キャプリーンMWを店頭で手に取ったとき、生地の厚みが程よく、試着した感触も悪くなかった。最後はある種、直感的にこれでいけそうだ、という判断して購入に至る。真夏や厳冬期にまで使えるかは不明だが、そういう極端な時期はそれ相応のウェアを着ればよいと割り切り、3シーズンの幅広いシチュエーションで対応できそうかどうかが自分には大事なのである。また、これからの時期を見越して、同じキャプリーンでもサーマルウェアを選択肢にいれる方も多いかもしれない。あくまで自分は、という前提ではあるが、サーマルウェアのように高い保温性のあるウェアは、立ち止まっている時はいいのかもしれないが、厳冬期含め登りでは相当暑くなってしまうのではないかと思っている。冬場にこのレイヤーが暑すぎと感じたら、脱ぐに脱げず地獄だろう。それよりも薄手を沢山重ねるほうが、調節しやすく楽で安全な気がする。
店ではわからない着心地
そういうわけで、購入したキャプリーンMWを、ここ何回かの登山で着用してみた。10月の台風前の塔ノ岳からはじまり、天狗岳、棒ノ折山、そして写真の塔ノ岳の計4回である。低山から森林限界越えまで、樹林帯、急登、稜線、沢沿い、そして気候も色々であったので、様々なシチュエーションで試すことができた。どうでもいいが、無理矢理写真で顔を隠したが、変な宇宙人か、間違った場所にいる太陽のようだ。ボトムスが、足下の枯れ草と同化しているのがポイントである。
改めて強調することもないかもしれないのだが、これ、もの凄い速乾性である。
暑がりで、汗の量も人の2倍と豪語できる自分であるが、全くものともしない処理能力。樹林帯や沢沿い、そして急登では、いくら涼しい時期でもかなりの汗をかくのだが、濡れた感触は全くない。ソフトシェルを羽織った場合でも、全然大丈夫である。恐れ入った。ちなみに、こいつの下には、Milletの鎖帷子を着用しているので、ある意味最強の組み合わせか。
いくら評判が良いとはいえ、ここまで機能面で素晴らしいとは嬉しい誤算。速乾性のベースレイヤーを探すのであれば、非常に良い選択だと思われ、実は登山ウェアを探している友人に早速勧めてしまった。
しかしである。ちょっと残念な点が。
- 色が暖色系の選択肢なし。単独で着ると若干地味
- タイトな作りが悩ましい。自分はSだと少しタイト、Mだとダボッとしすぎ。
- シンプルな見た目は、面白みがない
暖色系で細身のシルエットをゆる〜く着たいのだが。。。だから外見は70点くらい。
ベースレイヤーと割り着て上に何かを羽織る前提だったり、あるいは、色味は地味で結構、という人には素晴らしい機能の搭載された非の打ち所がない一品だろう。ただ、稜線以外ではアウターを着ることが少ない暑がりな自分にとっては、もうちょっと洒落っ気を出してほしいと思わなくもない。そう言う意味で、Mammutや変化球が得意なMounrtain Hard Wearなどには、そっち方面での発奮を期待したい。
外観について若干ケチをつけてしまったが、機能最高、は最後もう一度強調しておきたい。登山を始めたばかりの頃、いつまでこの趣味を続けるか確信がなかったので、登山道具への投資は最低限であった。某U社が当時販売していたラウンドネックの速乾シャツを着て、夏の近郊の低山に登った。しかし、発汗量に処理が追いつかず、シャツは終止濡れたまま。挙げ句の果てに頂上に出た時に、風にさらされて凍えてしまう有様であった。そんな状況と比べると、天狗岳も塔ノ岳も、頂上で汗冷えもなく快適そのものである。登山では軽いことと同様、ドライなことは正義である。
先日の登山で、ボトムスが擦り減って破れそうな状態にある、と背後にいる方に指摘を受けた。そう、お尻である。なので、次はボトムスを探そう。